お部屋の暑さ対策8選【完全版】涼しく夏を乗り切る方法|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2018.08.21 / 更新日 2024.08.30
寒さ・暑さ対策
お部屋の暑さ対策8選【完全版】涼しく夏を乗り切る方法
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矢崎 拓也
環境省認定うちエコ診断士
大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。
部屋が暑いから暑さ対策をしたい…。そんなとき、まず何を思い浮かべるでしょう?
「エアコンが悪いのかな…」
「新しいエアコンに買い換えれば良いかな?」
このように、多くの方が設備の改善で問題を解決しようと考えてしまいがちです。しかし、ほとんどの場合、部屋が暑いのはエアコンが原因ではありません。もちろんエアコンを最新にして、ガンガンに冷房を使えば大抵のお部屋は涼しくなります。しかしそれでは、電気代がかさむばかりかエアコンの冷風で体調を崩してしまう、なんてこともあるかもしれません。
では、どのような対策がお部屋の暑さの改善に繋がるのでしょうか?この記事では、ごまかす暑さ対策ではなく、もっと根本的なポイントも解説していきます。
目次
結論:部屋の暑さ対策TOP8
まずはお部屋の暑さを改善させるための対策について結論をまとめました。効果の大きいもの(根本的な暑さ対策)から順番に、手軽にできる対策までをランキング形式でご紹介していきますので一緒にチェックしていきましょう。
1位 |
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2位 |
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3位 |
オーニングなどを設置
太陽の日差しを物理的に遮断するオーニングや断熱ブラインドも暑さ対策に効果あり。内窓の代用にも。 |
4位 | グリーンカーテン・よしずを設置 |
5位 | カーテンで日差しを遮る |
6位 | 除湿機で部屋の湿度を下げる |
7位 | サーキュレーターを活用する |
8位 | ひんやりグッズを使う |
このように、根本的な対策になるほど暑さ対策としての効果は大きくなります。また、これらの対策を組み合わせることで部屋の暑さが和らぎ過ごしやすい空間にすることができるでしょう。それぞれの詳細は当記事の後半に解説しております。
お部屋の暑さには3つの原因がある
夏場に部屋の中が暑くなるのは、主に3つの要素が重なり合うのが最大の原因です。建物は屋根や壁、窓などで覆われていますが、これら壁などの表面は、夏の日射を直に浴びることでかなりの高温になります。この熱が室内に伝わってきてしまうことで、室内が不快な暑さになってしまうわけです。順に解説していきましょう。
原因1:天井の断熱性能が低い
太陽からの日射を直接受ける屋根裏や天井は、断熱性能が低いと天井表面に熱が伝わり表面温度が高くなります。お部屋の室温に対して表面温度が高いと、室温の割に涼しく感じることができず暑さの原因になってしまうんですね。
また、屋根裏に溜め込まれた熱は40~60℃ほどの高温になり、外の気温が低くなる夜になっても冷めないまま熱がこもります。こもった熱が夜遅くまでじりじりと室内まで降りてくるために、寝苦しさが一層高まってしまうわけですね。
そのような部屋を冷房で冷やしても、天井表面の温度は高いままなので体感としてムラがあり暑く不快に感じてしまいます。逆に天井の断熱性能がしっかりしていれば室温が28℃でも天井表面温度もほぼ均一になるので体感として涼しく感じることができるのです。
原因2:強い日差しが入り込んでいる
夏場、部屋の中に最も熱が入り込む場所は窓です。その割合は73%にも上る(※1)ため、窓の対策は非常に大切になってきます。なぜ窓は熱の出入りが激しいのかと言うと、日本の住宅で最も普及しているアルミサッシと単板ガラスの組み合わせは熱を通しやすく断熱的に弱い素材だからです。
また、それに加えて日射が窓を通して入り込むことで室温を直接的に上げてしまいます。太陽からの熱を遮らない限り、部屋の暑さは改善しないんですね。
原因3:部屋の中の熱が溜め込まれている
部屋が暑くなる原因の3つ目は、熱が溜め込まれてしまうことによる暑さです。日中の日射による熱の移動も一つの原因ですし、電化製品などからの熱も原因となってしまいます。
室内には、冷蔵庫や照明、テレビなど、熱を発生する家電がたくさんあります。外出時にもそれらを稼働しっぱなしにしておくと、締切の部屋の中がもわっとした暑さを感じる原因となってしまうんですね。
これらは締め切りにした部屋が問題で、計画的な換気を行ったり涼しい時間帯に窓を開けて通風させることで効果的に熱を外に出すことができます。
部屋が暑い建物の断熱状態はどうなっている?
では、本当に部屋が暑い家の断熱材はどうなっているのでしょうか。みなさんがご自身で確認するのは難しいと思いますので、弊社(断熱リフォームの匠)で断熱診断にお伺いした物件の断熱状態をお見せします。
天井(屋根裏)の断熱材
天井裏(屋根裏)には断熱材が敷いてあるのが普通です。一般的には袋入りグラスウール断熱材が敷かれているので、ほとんどの住宅はしっかりと断熱性能があるように感じるはずです。
しかし、上写真の通り多くの住宅の断熱材は雑に施工されていたり、綺麗に施工されているように見えても隙間があります。僅かな隙間なら問題ないように感じますが、そこから熱が漏れてしまうことに繋がり、暑さの原因となってしまうんですね。
また、築年数の経過した建物では全く断熱材が敷かれていないこともあります。このような状態では天井からの熱を防ぐことはできません。さらに、壁の隙間に気密処理(気流止め)がされていないと壁内へと熱が伝わり家全体に熱が移動してしまう可能性があります。
最も一般的なグラスウール10K(熱伝導率 0.050 W/m・K)は、その厚みが200mm未満だと現在の断熱性能等級4が満たされていない(断熱材が不十分という)ことになります。等級4を下回る程度の断熱材の厚みですと、天井から降りてくる熱を防ぎ切ることができず、徐々に熱が伝わってきてしまうのです。つまり、断熱材があれば大丈夫、とならない点は要注意ですね。
窓の断熱性能
窓は夏の暑さに直結する部分です。屋根裏や壁と違い、断熱材を施工することができない場所のため、サッシとガラスの性能で部屋の快適度が大きく変わります。
部屋が暑い住宅の窓は、大抵がアルミサッシと単板ガラスの組み合わせです。また、日射遮蔽ができておらず日光が直接室内に入り込んでいることも多いです。これらの熱的な欠点を補うことが暑さ対策では重要となります。
自分でできる部屋の暑さ対策
部屋の暑さ対策と言っても、自分でできる簡単なものから業者に依頼するものまで様々です。まずは自分で気軽にできる暑さ対策を考えている方も多いと思いますので、最初に簡単にできるお部屋の暑さ対策をご紹介します。
窓にできる暑さ対策
まず、部屋の暑さ対策で最初に行いたいのは窓まわりの対策です。窓自体を自分で交換することは難しいので、窓にかかる日差しを減らす対策をしてみましょう。
カーテンやブラインドで日差しを遮る
最も簡単な窓の暑さ対策は、カーテンやブラインドを断熱性、遮光性に優れるものに変えることです。窓の断熱性能が低いと日射による熱が部屋の暑さの原因となります。その日射を遮ることができれば部屋の暑さを和らげることができ、暑さ対策となります。
カーテンは遮光性に優れたものを選び、日差しが直接当たる時間帯に閉めておきましょう。特に西日は太陽の角度が低く室内に差し込みやすいため、西向きの窓にはおすすめの対策です。
また、最近ではハニカム形状をした断熱ブラインドがIKEAやニトリでも販売されています。断熱性に優れたものを使用することで冷房効率が上がり過ごしやすい室内にすることができます。
グリーンカーテンや簾(すだれ)・よしずを付ける
カーテンやブラインドは室内側から設置するものでした。グリーンカーテンや簾は建物の外に設置するものです。実は、断熱・遮熱の効果としては建物の外から遮る方が効果的なんですね。その点、グリーンカーテンや簾は効果的な対策です。
ゴーヤやアサガオなどのツル性植物を利用したグリーンカーテンは特におすすめの対策です。ただし、植物の成長を見越して4月から5月には準備をしておかなければなりません。また、苗の数が少ないと隙間だらけで遮光効果がほとんど無いなんてこともあります。そのため、準備が面倒な場合はよしずや簾を使って対策する方が効率的ですね。
室内でできる暑さ対策
窓以外の対策で効果的な方法もいくつかご紹介します。室内でできる対策としては根本的な断熱性能向上は難しく、家にあるものを活用した対策がおすすめです。
サーキュレーターとエアコンを組み合わせる
暑い空気は上に溜まりやすいため、エアコンと一緒にサーキュレーターを組み合わせるのがおすすめです。このときサーキュレーターはエアコンの対角線上に置き、部屋の中央に向けて上向きで運転します。天井の空気を撹拌するように使用するのが効果的ですね。冷たい空気が部屋の隅々まで循環することで快適性が高まります。
また、サーキュレーターがなくても、ご家庭の扇風機を使えば同様の効果を得ることができます。
除湿機を使い部屋を除湿する(湿度を下げる)
夏の蒸し暑さは湿度の高さが原因です。湿度が高い部屋では、汗をかいても水分が蒸発しにくくなり体感的に暑さを感じやすくなってしまいます。また、熱中症にもなりやすくなるため注意が必要です。
エアコンで冷房を付けていても、室温の状態によっては湿度戻りが生じて高湿度になることがあります。人が快適だと感じる湿度は40%〜60%の範囲なので、それを超える場合は除湿機を併用して湿度もコントロールしましょう。
※湿度戻りとは・・室温に達し冷房運転から送風状態に切り替わることで、エアコン内部の水分が室内に戻ってしまう現象
ひんやりグッズを使う
根本的な対策ではありませんが、上記のようなグッズを使うことでより快適に過ごすことができるようになります。特に夜間の暑さ対策としておすすめなのが冷感敷きパッド。ニトリのNクールが有名ですよね。
その他、アイスリングや冷感スプレー、ハンディファンなどの冷感グッズが販売されています。ただし、これらだけを活用するのではなく、以下で解説する根本的な暑さ対策での改善も視野に入れながら併用するようにしましょう。
本格的な部屋の暑さ対策(断熱リフォーム)
ここまで自分でもできる簡易的なお部屋の暑さ対策を解説しましたが、本気で暑さを改善したいと考えているなら手っ取り早く業者に依頼するのがおすすめです。
初期費用はかかりますが、長い目で見れば自分でできる対策よりもパフォーマンスは高いですので、できればこれからご紹介する方法での暑さ対策をされることをおすすめします。
天井(屋根裏):断熱材を追加する
2階にある部屋の暑さを改善したい場合、特におすすめなのが屋根裏の断熱リフォームです。先ほどご説明したように、多くの家の天井断熱材は施工に不備があったり不十分な厚みの状態です。これに断熱材を追加することで断熱性能を向上させることができます。
屋根裏断熱リフォームで使われる断熱材は、セルローズファイバーや袋入りグラスウール、現場発泡ウレタンフォームがあります。それぞれメリット・デメリットがありますが、弊社では隙間ができず高い断熱性能を発揮するセルローズファイバーをおすすめしています。
長所 | 短所 | |
---|---|---|
セルローズファイバー | 隙間ができない | 工事機材の置き場所確保が必須 |
袋入りグラスウール | 施工がしやすい | 隙間ができやすい |
現場発泡ウレタンフォーム | 隙間ができない | 施工者の技量で差が出る |
窓:内窓を設置する
夏の冷房時に外から熱が侵入する割合は、窓など開口部からが73%と断トツで大きいです。つまり、部屋の暑さ対策として窓をリフォームすることが、ほとんどの家で1番の解決策になります。
窓のリフォームの方法として最もおすすめなのが、今ある窓の内側に新たに窓を取り付ける内窓です。
内窓にはいくつかガラスの種類があり、単板ガラスや複層ガラス、Low-E複層ガラス(断熱タイプ・遮熱タイプ)などがあります。一般的に、単板ガラスよりも複層ガラスが、複層ガラスよりもLow-E複層ガラスのほうが断熱性能が高いため、複層ガラスかLow-E複層ガラスでのリフォームがおすすめですね。
また、Low-E複層ガラスにも断熱タイプと遮熱タイプがありますが、夏場の部屋の暑さ対策として内窓を導入するのであれば遮熱タイプのLow-E複層ガラスがおすすめです。遮熱タイプは複層ガラスの室外側にLow-E膜という熱を吸収・反射させるコーティングが付いています。これの効果により、夏の日差しからの熱を室内に入りにくくすることができる訳ですね。
オーニングや断熱ブラインドも効果的
内窓に合わせて、太陽の日差しを物理的に遮断するリフォームもおすすめです。具体的にはオーニングや断熱ブラインドの取り付けがあります。内窓の取り付けができない窓の代替案として断熱ブラインドを採用することもできるため、専門業者にどういった断熱対策ができるか確認してみましょう。
今年こそ根本的な暑さ対策してみませんか?
「冷房をつけても上半身はモワモワする」
「暑いから冷房を強くすると足もとだけ冷えてしまう」
「エアコンの風が冷たくて頭が痛くなる」
そんな不満を「しょうがない」のひと言で片づけてしまっていませんか?冷房を付けていても部屋が暑いのには必ず理由があります。ぜひ、この記事を参考に根本的な暑さ対策を検討してみてはいかがでしょうか。
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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
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