部屋の寒さ対策はこれをやれば間違いなし!【寒い家を暖かくする方法】|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2018.10.16 / 更新日 2024.07.23
寒さ・暑さ対策
部屋の寒さ対策はこれをやれば間違いなし!【寒い家を暖かくする方法】
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矢崎 拓也
環境省認定うちエコ診断士
大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。
「冬になるとエアコンをつけても暖かくなりません!」
「寒い家を根本的に解決する方法はありますか?」
弊社に最も多くお寄せいただく問い合わせが、上記のような寒さに対するお悩みです。こう感じてしまう一番の原因は、「家そのものが寒い格好をしている」ことにあります。人間に例えると、Tシャツ一枚しか着ていないのに、ストーブや使い捨てカイロを使っているような状態なんですね。
では家にとっての防寒とは何か。それが断熱材であり断熱性能の良し悪しです。このページでは部屋が寒い原因と、それを解消する対策について詳しくお話ししていきます。
目次
家が寒い理由「断熱材という服を着ていないから」
住宅の寒さ、暖かさはその建物の断熱性能に左右されます。そしてその断熱性能の良し悪しを決めるのが断熱材です。
断熱材の役割は、冬の寒さ(夏は暑さ)を室内に入れないことにあります。充分な厚みを持った断熱材がしっかりと使われていれば、外の寒さを遮断して快適な室内空間を保つことができます。しかしながら、実は日本では断熱材が不足している家が非常に多いのです。
国土交通省が調べた日本の住宅の断熱性能についての統計データ(※1)です。約9割の住宅が現在の基準に達していないことが分かりますね。断熱性能が低いということは、室内でエアコンやストーブなどで生み出した熱をそのまま外に逃がしてしまっていることになります。暖房をつけていても、なんだか足元が寒い、冷たくて素足でフローリングを歩けない、と言うのは断熱性能が不足しているからなのです。
※1:国土交通省「我が国の住宅ストックをめぐる状況について」
寒い家の断熱材はどうなっているの?
「断熱性能が足りない家ってどんな家?」
「断熱材がある家とどう違うの?」
と思われるかも知れませんので、実際の事例をご紹介いたします。いずれも弊社(断熱リフォームの匠)で断熱診断にお伺いしたお客様の家の断熱材写真です。
床下の断熱材
1枚目は築25年ほどの住宅です。断熱材はしっかり入っていたものの、その厚みは30mm程度。現行の省エネルギー基準からすると、断熱性能は完全に不足しています。しっかり断熱されているように思えるかも知れませんが、実際にはこの素材でこの程度の厚みでは充分とは言えません。
2枚目は築30年以上の物件です。床下にはそもそも断熱材がなく、床組みがむき出しの状態でした。床下と床上の空間を隔てているのは床板のみ。これでは寒いのは当然です。床下は基礎の換気口から外の空気が流れ込みます。つまり外気温とほとんど変わらない状態なのです。
1枚目の住宅は築20年ほどで、断熱材もしっかり施工されています。しかし、断熱材が脱落し裏側の床板が見えてしまっている状態でした。2枚目は、部分的に断熱材が無くなっていて、こちらも床板が露出している状態です。
断熱材は隙間なく施工する必要があります。窓を開けながら暖房をつけても部屋が暖まらないのと同じで、隙間が空いていると熱はそこから逃げていき、断熱材の意味がなくなってしまうのです。
屋根裏の断熱材
基本的に戸建て住宅の屋根裏(小屋裏)には断熱材が施工されますが、20〜30年前の住宅では断熱材自体が無かったり、施工されていても雑に設置されているだけの場合が多いです。これが部屋の寒さや暑さに直結します。
窓の断熱性能
窓については断熱材を施工できない部分のため、サッシとガラスの性能で部屋の寒さが大きく変わります。日本の住宅で最も普及しているアルミサッシは熱を通しやすく断熱的に弱い素材です。また、1枚だけの単板ガラスも寒さの原因となっています。
窓は家から外に逃げてしまう熱のうちの58%を占めると言われています(※2)。この窓を対策することが家の寒さ対策で大変重要です。
自分でできるお部屋の寒さ対策
このように部屋が寒い住宅は床、天井、壁の断熱材の性能が低かったり、窓の断熱性能が低いものが使われています。寒さを改善するには、これらの弱点を補ってあげる必要がある訳なんですね。
では、私たちが自分でもできる部屋の寒さ対策はどうすればいいのでしょうか。この章では、皆さんでもできる寒さ対策をご紹介します。
窓の寒さ対策
窓は最も熱を逃がす場所なので最優先で対策しましょう。対策用品も手に入れやすく方法も様々です。
気泡緩衝材(プチプチ)を窓に貼る
もっとも簡単な対策は、気泡緩衝材を窓にぴったり貼り付ける方法です。緩衝材とは言っても、本当に緩衝材として使われたものを使うのではなく、窓専用のものを使うのがポイントですね。
専用のものは窓に貼り付けやすく、断熱性能的にもしっかりしています。ホームセンターで売られていますし、DIYのハードルも高くないので試してみる価値はあります。
窓の寒さ対策としては定番の方法。ただし効果は限定的。
内窓(二重窓)をDIYする
内窓とは、今ある窓の内側に新しい窓を取り付けることです。二重窓や二重サッシとも呼ばれます。本来はリフォーム業者に工事を依頼するものですが、ホームセンターで揃えられる材料を使うことで簡易的な内窓を自作することができます。
一般的な引違い窓の内窓を自作するには、ポリカーボネート板やレール(敷居)、枠といった材料が必要です。これらをカッターやテープなどを使って工作すれば1日程度で作ることができます。
簡単に作ることができる一方で、綺麗に隙間なく自作するのが難しい。
断熱カーテンを使う
窓からの寒さ対策にはカーテンを変えるのも手です。厚い生地で二重のものを使えば、それだけで寒さ対策となります。ただし、カーテンを開けてしまうと効果が無くなってしまう点は要注意ですね。また、サイズが小さいと隙間から冷気が流れ込んでしまいます。
カーテンを開けてレースカーテンの状態でも断熱性能を維持したい場合は、断熱カーテンライナーがおすすめです。レースカーテンに沿わせるように取り付けることができますし、半透明なので日光を遮ることもありません。
断熱カーテンライナーは安価で効果を感じやすい。
床の寒さ対策
窓の対策をしっかりしたら、次は直接体が触れる床の対策をしていきましょう。
タイルやラグを敷く
床にタイルやラグを敷く方法は簡単で効果的です。特に、柔らかい素材のものは熱伝導率が低く冷たさを感じにくいためおすすめですね。タイルならコルク製のものを、ラグは毛足の長いものが寒さ対策になります。
スリッパを使わないならおすすめの対策。窓対策との組み合わせがおすすめ。
暖かいスリッパを使うだけでも効果的
フローリングはそのまま見えるようにしておきたい場合は、暖かいスリッパを使うのも手です。今では足を包み込むような形をしたものや、毛足の長いファイバータイプのもの、ヒーター付きのものまで販売されいます。
部屋の寒さ対策として根本的なものではありませんが、効果としては実感しやすい対策です。
冬用のスリッパは最も安価で効果を実感しやすい対策。
隙間の対策
実は、部屋の寒さ対策には断熱性能だけでなく気密性能も見る必要があります。部屋の気密については、室内ドアの隙間や窓サッシの隙間などから冷気が流れていないか確認してみましょう。
冷たい気流の確認方法は、直接手を当てて確認する方法や、ティッシュなどを近づけて空気の流れを見る方法があります。専門的にはサーモグラフィーを使ったりもしますが、先述の方法で問題ありません。
塞ぐ方法は様々ですが、簡単なのは隙間ふさぎテープを使用することです。ドアの歪みなどで生じた隙間に対して使ったり、押入れのふすまの隙間に使ったりすることができます。ただ、最近の住宅に多いドア下の隙間については、計画換気のためにあえて開けている場合が多いので無闇に塞ぐのは避けましょう。
最近の建物では、室内ドアの隙間を無闇に塞ぐのは危険。どうしても隙間風を感じるときに対策しよう。
本格的なお部屋の寒さ対策(断熱リフォーム)
ここまで紹介した方法は、自分でもできる対策のため効果も限定的です。もっと根本的な寒さ対策を考えている場合は、断熱リフォームを検討してみましょう。自分で寒さ対策をするよりも費用はかかりますが、長い目で見るとより効果を実感できるはずです。
窓:内窓を取り付ける
やはり本格的な寒さ対策であっても窓の対策は最優先です。DIYでも取り付け可能な内窓(二重窓)ですが、リフォーム業者に依頼する内窓は業務用のしっかりした窓です。具体的には、YKK APのプラマードUやLIXILのインプラスなどですね。
既存の窓はそのままに、断熱性能を格段に向上させることができるリフォームなので大変おすすめできます。現在は補助金を活用してお得に取り付けすることができるため、コストや効果を見ても1番優先したい寒さ対策です。
内窓の設置には精密な窓枠の計測が必要となりますので、専門スタッフによる事前調査が必須です。また、窓の形や場所によっては内窓の取り付けが難しい場合もあるので、事前にリフォーム業者にしっかり確認してもらいましょう。
何から部屋の寒さ対策をすればいいか分からないなら、まずは内窓を設置しよう。
玄関の対策にはドアの交換が効果的
玄関のドアも熱を通しやすい部分です。お部屋の寒さ対策とは関係ないように思えますが、室内全体の温度差を減らすことで家全体の寒さ対策になります。予算に余裕がある場合は積極的にやっておきたいリフォームですね。
上記のYKK APドアリモなら今あるドア枠に新しいドア枠を被せて取り付けるカバー工法を採用しているため、1日で断熱ドアに取り替えることができます。アルミドアから断熱ドア(D4、D2)がラインナップされていますが、もっとも断熱性の高いD2仕様に交換することで十分な効果を実感できるはずです。
最近では工期を短くリフォームすることができる。玄関の断熱化は想像以上の効果が。
床下:断熱材を追加する
自分でできる床の寒さ対策はコルクタイルやラグを敷くことでした。しかし、本格的な寒さ対策をするなら、床下側から断熱材を追加するのがおすすめです。
特に、断熱材が足りていない住宅の場合は、リフォーム用の断熱材を使った断熱リフォームが向いています。弊社では施工性やメンテナンス性の良さから高性能グラスウールボードを使用していますが、発泡ウレタンなど別の断熱材を使う業者もあります。
また、床下に気流止めが施工できていないと、床下の冷気や湿気が壁内に入り込み壁内結露や部屋の寒さの原因となってしまいます。床下の断熱工事を行う場合は気流止めもしっかり施工してもらいましょう。
床の寒さ対策は数値以上に重要。日本の家のほとんどが床断熱材の性能が足りていない。
床暖房も効果的
床に暖かさを求めるなら、熱を発する床暖房がおすすめです。電気ヒーター式と温水式の2種類がリフォーム向きで、電気ヒーター式の方が施工費を安くすることができます。温水式は施工費が割高となりますが、ランニングコストは電気ヒーター式より安く済みます。また、床下の断熱リフォームを合わせてすることで暖房効率が上がるため、より効果的です。
日々の光熱費がネックだが、最も効果を感じやすい。
屋根裏:断熱材を追加する
2階の部屋が寒いなら、屋根裏の断熱リフォームを検討してみましょう。もしかすると断熱材が正しく施工されていないかもしれません。
屋根裏の断熱リフォームは基本的に天井面に断熱材を施工します。セルローズファイバーなどバラ状の繊維系断熱材が採用される理由は、隙間なく施工できるからです。また、屋根裏を断熱することは夏の暑さ対策にも有効です。
建物全体の断熱性を考えても、屋根裏を断熱することは非常に大切。
まとめ
部屋が寒く感じる理由は家の断熱性能によるところが大きいです。自分でできる対策をまずは試してみるのも手ですが、しっかりと寒さを改善するなら断熱性能を向上させることができる断熱リフォームがおすすめです。
特に、今ある窓に取り付けることが可能な内窓リフォームの効果が非常に高いですので、窓の対策を最優先に、床や天井などの対策も合わせて検討してみましょう。
首都圏で年間200棟の施工実績
業界初の10年間工事品質保証
補助金・助成金の申請も代行
窓・床下・天井を壊さず断熱
1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
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