出窓を断熱リフォームする方法5選【内窓・ガラス交換・DIYも】|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2025.02.22
内窓・窓リフォーム断熱リフォーム
出窓を断熱リフォームする方法5選【内窓・ガラス交換・DIYも】

WRITER

WRITER
廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士

地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
「出窓にできる断熱対策は?」
「出窓の近くが寒く感じるけどどうにかならないかな」
出窓は小物やちょっとした棚が置けるので便利スペースとして活用されている方も多いですが、その特性上、普通の窓に比べて寒さを感じやすい場所です。出窓からの冷気の流れ込みを肌感覚で感じる方はとても多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、出窓の断熱対策について、断熱リフォームの方法からDIYで対処する方法まで解説していきます。
目次
出窓が寒い原因
出窓は比較的年数の経過した住宅に多く見られる造りで、リビングや洋室に付けられていることが多い構造です。窓台のスペースが広く取れるため、鉢植えや小さな本棚、電話機などを置くのにはちょうど良い便利なスペースですよね。南面に設置されている場合、採光の面でも非常に優れています。


その反面、出窓の断熱性能が低いことが指摘されることは非常に多いという側面もあります。出窓は壁面よりも外側に出っ張る形で形作られていますので、その分ガラスの面積が大きくなる傾向にあります。
もともと単板ガラス(1枚構造のガラス)は熱が逃げやすいと言われていますので、単純に大きい窓になるほど逃げていく熱量はより一層増大していきます。
また、出窓はある程度年数の経った物件に多く見られる構造です。経年により多少の歪みが発生するなど、スキマ風が発生しやすくなっていることも、寒さを助長する原因のひとつになっていると言えるでしょう。
寒い出窓を放置すると良くない理由
出窓から迫ってくる寒さはさまざまな悪影響を及ぼします。快適に過ごせないことはもちろん、大量の熱が外気に奪われた窓は温度が低下し、室内で最も温度が下がる箇所になります。


そうすると窓や窓枠に結露が発生し、結露水による窓枠の濡れ、ひいては腐れを引き起こす要因となります。また、結露水がずっと溜まっているフレーム等は、カビの発生を引き起こす大きな要因になります。窓のゴムパッキンやカーテンが黒ずんでいるのを見たことがある方は多いのではないでしょうか?
それに加えて、カビを栄養源にするダニが発生したり、さらにそのダニが出す排泄物や死骸はアレルゲンとして室内空間に飛散することが指摘されています。出窓に限った話ではありませんが、窓を冷たいままにしておくことは生活を脅かす悪循環に入りこんでしまう可能性を秘めているというわけです。
特に出窓は奪われる熱量が大きい分、そのリスクが高いと言って良いのではないでしょうか。
出窓の断熱リフォームは3種類
では、出窓を断熱化して快適性やカビ等を抑制するにはどうすれば良いのでしょうか?まずはリフォームで出窓を断熱する方法を見ていきましょう。
1.内窓の設置
一番確実な方法は、断熱リフォームとして内窓を設置する方法です。内窓を設置して二重窓化することで断熱性能が向上し、熱の逃げる量を大幅に削減することが可能です。出窓は特に冷気が入り込みやすい箇所ですので、窓全体をしっかりと冷気から遮断するには最も確実性が高い方法と言えるでしょう。


反面、出窓の窓枠に内窓が乗っかることになるため、棚や小物を置いている場合には物を移動する必要が出てきます。物を置くスペースも以前より小さくなるため、物を多く置いていらっしゃる場合には、別の置き場所を考える必要がありますね。


2.ガラスの取り替え
もうひとつの窓リフォーム方法としては、出窓に設置されたガラスを断熱ガラスに取り替える方法です。今あるガラスを高性能なガラス、たとえば真空ガラスなどに取り替えることで、ガラス面からの冷気を大幅に減少させることができます。
一方で、窓のフレームの部分は特に性能が高くなるわけではありませんので、内窓と比較した場合には効果としては限定的になるかもしれません。ただ多くの場合、出窓の窓枠スペースはほぼそのまま使用することができますので、物の置き場所に困ることは少ないように思います。
出窓の有効スペースを活用したい場合に検討すべき方法と言えそうですね。
3.出窓そのものの交換
3つ目の方法は、出窓そのものを交換する方法です。これは断熱工事というよりもリフォーム工事に分類され、既存の出窓を撤去し、新しいものに取り替える手法となります。
この方法の特徴として、施工費用が比較的高額になりやすい点や、断熱性能を備えた出窓商品の選択肢が限られる点が挙げられます。断熱性能を向上させるためには、アルミフレームではなく、アルミ樹脂複合フレームなどの断熱性に優れた製品を選ぶことが重要です。適切な商品を選ばなければ、交換後も十分な断熱効果が得られない可能性があるため、慎重な検討が求められます。
また、出窓ではなく通常の平面型の窓へ変更する選択肢もあります。一般的に、平面型の窓はガラス面積が小さくなるため、その分だけ断熱性能の向上が期待できます。ただし、この方法は改修工事の規模が大きくなるため、コスト面での負担も考慮する必要があります。
こうした点を踏まえると、コストと断熱性能のバランスを考えた場合、内窓の設置が効果的な断熱対策の一つといえます。出窓の空間をどのように活用するかを含め、各家庭のニーズに応じた最適な方法を選択することが重要です。
自分で出窓を断熱リフォームする方法
前項では断熱リフォームの可能性について触れましたが、まずはコストをかけずにご自身で断熱化を試したいという方に向けての事例もご紹介します。
1.厚手のカーテンを設置する
比較的手軽にできる断熱対策の一つが、厚手のカーテンを設置する方法です。窓からの冷気の侵入や室内の暖気の流出を防ぐために、断熱効果の高いカーテンを選ぶことが重要です。


具体的には、裏地付きの厚手カーテンや遮熱・断熱機能を備えたカーテンを使用すると効果的です。また、カーテンの丈を長めにし、窓枠をしっかり覆うことで、隙間からの冷気の流入を軽減できます。さらに、カーテンボックスを設置すると、カーテン上部からの空気の流れを抑え、断熱効果を高めることが可能です。
この方法は比較的低コストで取り入れられ、簡単に実践できるため、まず試してみる価値のある対策といえるでしょう。
2.プチプチ・断熱テープを貼る
最も良く行われている対策としては、プチプチをガラス面に貼る方法です。梱包の際の緩衝材に使われるプチプチですが、空気を内包しているという点で断熱材として活用することができるわけですね。
ポイント1.気泡面をガラス側に貼り付ける
注意点としては、ガラスに貼る向きに気をつけないと効果を感じにくいことです。プチプチの表面をよく見ると分かるのですが、丸い気泡部分と薄いビニールだけの部分とに分かれており、薄い部分には断熱効果がほぼありません。


平らな面をガラスに貼り付けると、気泡の部分はともかく、薄い部分はほとんど効果を発揮できないことになるので、効果は感じにくいでしょう。デコボコの面をガラス側に貼り付けたほうが、マットとガラスの間により多くの空気を閉じ込めることができます。
ポイント2.断面をテープで密閉する
さらにポイントしては、プチプチの四方をしっかりとテープで密閉することです。閉じ込められた空気が断熱材としての役割をしますので、ガラス面とプチプチの間で動かない空気が封じ込められている方が、より冷気を通しにくくなります。
四方が開いていると冷気は自在に移動できてしまい、室内側へと到達してしまいますので、スキマができないようにしっかりと貼り付けるようにしましょう。
ポイント3.窓枠も断熱する
また、ガラス面だけでなく、窓枠(フレーム)の断熱も忘れてはいけません。 アルミ製の窓枠は熱を伝えやすく、外気温の影響を受けやすいため、断熱テープを貼ることで対策が可能です。窓枠が冷えると室内の空気を冷却し、結露の原因にもなるため、断熱テープを貼って外気との接触を抑えることで、結露の発生を軽減できます。
ただし、断熱テープの厚みは数ミリ程度と薄いため、断熱効果には限界があります。 室温や湿度の状況によっては結露を完全に防ぐことが難しい場合もあるため、あくまで補助的な対策であると認識しておきましょう。
断熱リフォームとDIY、どっちがいい?
それでは、断熱リフォームとDIYはどちらを選択すれば良いのでしょうか?
もちろん考え方によっても異なってくるのですが、断熱化の観点から費用対効果を考えるのでしたら、やはり内窓の設置を推奨します。内窓は断熱リフォームの中でも効果を感じやすい部類の工事ですので、出窓からの冷気にお悩みの場合には真っ先に候補に挙げられる対策と言って良いでしょう。
また、現在は国が補助金を創設して住宅の窓の断熱化を強く後押ししていますので、出窓の対策としての内窓の設置は費用面でも大きなアドバンテージがあります。補助金に詳しい業者であれば、内窓の工事見積もりと一緒に補助金を受け取れる金額も提示してくれると思いますので、遠慮なく聞いて見るようにしてください。
その一方で、内窓は出窓のメリットの多くを奪ってしまうとも言えます。室内でさまざまな小物や小さな棚を置くのに重宝するスペースとして活用される方も非常に多いですよね。
出窓の部分をどのようにお使いになっているか、あるいは出窓に置いてあるものを他の場所へ移動できるか、移動場所を確保できるか等のライフスタイルの観点からも考えてみるようにしてください。
その上で、断熱リフォーム工事よりも費用を抑えてDIYで対策する場合には、取り付けの際のポイントをしっかり確認しつつやってみてください。
まとめ
今回は出窓の断熱化対策について解説してきました。出窓は住宅の窓の中でも特に熱の逃げが大きい箇所で、多くの方が抱えている家の悩みです。
断熱の方法はさまざまありますが、寒さをしっかりとシャットアウトしたいのであれば断熱リフォームの実施に軍配が上がります。出窓のスペースを有効に活用できなくなる可能性があることは否めませんが、寒さをどうにかしたいという悩みを正面から解消してくれます。
一方でDIYで実施する場合であっても、お手軽にできて費用を抑えられる点は魅力のひとつではありますので、対策のポイントを外さないように注意しながら実施すればある程度は効果が見込めます。
出窓を生活の上で有効活用するか、断熱スペースとして割り切るかで、対策を替えてみるのが良いのではないかと思います。


首都圏で年間200棟の施工実績
業界初の10年間工事品質保証
補助金・助成金の申請も代行
窓・床下・天井を壊さず断熱
1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
トップページへ
断熱リフォームの匠が選ばれる理由
価格・プラン
お客様の声・施工事例
断熱無料調査についての詳細
断熱無料調査のお申し込み