【2023年版】断熱リフォームはどこからやるべき?お悩みごと優先順位を解説!|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2020.06.20 / 更新日 2023.05.13

断熱リフォーム

【2023年版】断熱リフォームはどこからやるべき?お悩みごと優先順位を解説!

WRITER

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

こんにちは、《断熱リフォームの匠》の矢崎です。

今回はお客様からもよくいただく「断熱リフォームはどこからすれば良いのか?」という疑問について、詳しくお答えしていきます。

2023年以降は”優先順位の常識”が変わる!?

端的にまとめますと、断熱リフォームの優先順位は以下のようになります。

◯暑さ対策の優先順位
1.天井の断熱リフォーム
2.窓の断熱リフォーム
3.床の断熱リフォーム
4.壁の断熱リフォーム

 

◯寒さ対策の優先順位
1.床の断熱リフォーム
2.天井の断熱リフォーム
3.窓の断熱リフォーム
4.壁の断熱リフォーム

 
もし断熱のことをご自身で調べるような勉強熱心な方であれば「おや?」と思うかも知れません。

断熱リフォームの優先順位は「熱の移動の起きやすさ」、つまり寒さや暑さが伝わりやすい場所、具体的に言えば窓を優先して行うのが一般的な常識です。

しかし《断熱リフォームの匠》では「窓を最優先すべし」という提案をあえてしない場合もあります。

というのも、以前に他社で断熱改修を実施されたお客様の声として、「工事費用が高かった割には前後の違いがちょっと微妙・・・」という方が実際にいらっしゃるからです。

さらに言えば2023年になってからは世の中の状況が変わってきており、窓最優先という考えが必ずしも正しいとは言えなくなってきています。

それを知らずに断熱リフォームの部位を決めてしまうのは、せっかくお金をかけて工事をしたのに、とてももったいないことだなというのが率直な思いです。

暑さを解決したい場合の優先順位

最も優先すべきは「天井」

暑さにお悩みなのであれば、最優先すべきは天井の断熱リフォームです。

「夏の2階は外よりも暑い!」と感じることがあるのではないでしょうか?

実際、真夏の強い日差しを長時間浴びた屋根はかなり熱くなり、その熱が屋根裏空間をも高温にすることから、時期によって屋根裏は60℃近くになることもあります。

天井板1枚だけを隔ててこれほど暑い空間があるわけですから、屋根からの熱を真っ先に遮る必要があると言えるでしょう。

断熱材のある床下

天井の断熱リフォームを実施すれば、屋根裏がどれほど高温になっていても、室内への熱が降りてくるのを遮ることができます。

天井の表面温度が工事後には低くなるため、体感温度を大幅に改善することが可能になるのです。

寒さを解決したい場合の優先順位

最も優先すべきは「床」
床下の断熱リフォーム前

寒さ対策を意識した断熱リフォームは、やはり床の断熱リフォームを真っ先に考えることをおすすめします。

寒さの根本原因である床の底冷えを解消するためには、床の断熱性能の低さを改善するのが一番です。

足元から冷気を遮ることができれば、暖房使用の条件が同じでもより体は暖かさを感じることができるようになります。

また、これから寒さ対策の断熱リフォームを考えている方以外にも「窓の断熱化を実施したけどもあまり暖かくならなかった」と感じている場合は、床の断熱リフォームをすることで室内の快適さはグッとはね上がります。

実は寒さの解決にとても重要な「天井」
天井断熱がない家
寒さ対策で意外と見過ごされがちなのが、天井の断熱リフォームです。実は天井の断熱リフォームは寒さ対策としての側面も持っています。

これは「熱の移動方向」を考えるとよくわかります。

暖かい空気は上昇気流となって上に登ることから、暖房により暖められた空気はやがて2階の天井板に達します。

天井断熱がある家
もし天井を断熱リフォームしておけば、今までなら屋根裏へと逃げてしまっていた熱を室内に抑え込むことができるのです。

実際《断熱リフォームの匠》では、「2階の押し入れを開けたとき冷気を感じなくなった」「夏向けの対策として天井断熱をしたけれど、冬も全体的に暖かく感じられるようになった」というお客様の声が多く寄せられています。

窓を優先する必要はない!?

内窓

効果を実感できない人が意外と多い理由

断熱リフォームについて多くのサイトで見かけるのが次のような説明です。

冬と夏の熱の移動の起こりやすさは以下のとおりです。

夏の熱の移動
・窓  :71%
・壁  :13%
・床  :2%
・天井 :9%
・他  :5%

 

冬の熱の移動
・窓  :48%
・壁  :19%
・床  :10%
・天井 :6%
・他  :17%

 

こうしてみると、圧倒的に窓が断熱的にウィークポイントになっていると書かれていることがよくわかりますね。

しかしここには”落とし穴”があります。

というのも実は、「窓の断熱化工事を他社で実施したけど状況が改善されなかった!」というご相談が年間で何件も寄せられているのです。

なぜ窓を断熱化しても効果を実感できないのか?ポイントは「体感温度」にあります。

真夏の蒸し暑い部屋で扇風機を使って涼しく感じたことがあるのではないでしょうか?同じ温度でも風があるだけで私たちの体は涼しさを感じることができます。

この体感温度の意識は断熱リフォームで効果を実感するためには非常に重要です。

体感温度を考慮せずに、断熱性能の改修だけを意識したリフォームでは効果を実感できない場合もあるため、十分注意が必要です。

2023年の補助制度は魅力的だが・・・

2023年の特筆すべき点として「先進的窓リノベ事業」が挙げられます。

昨年度に比べて3倍以上の補助額が見込まれることが非常に魅力的で、様々なwebページや宣伝で話題となっています。

しかしこの制度の発表以降、断熱窓の需要は全国的に急増し、材料の注文から納品まで3ヶ月以上かかる状態となってしまっています。(通常であれば1~2週間程度)

しかも各メーカーからは今後もさらに納期が遅延する可能性が示唆されており、しばらくは窓の工事に取り掛かること自体が困難な状態が続きそうです。

私たち《断熱リフォームの匠》でも、施工待ちのお客様から「補助金は間に合うの?」というお問い合わせを多数頂いておりますが、明確な回答ができず頭を悩ませています。

新たな支援制度の創設も十分考えられる

私としては現在の需要過多の状態はあくまでも一時的な混乱だと考えています。

政府は2050年カーボンニュートラルを国際的な約束として掲げています。

仮に今回の補助金に間に合わなくても、今後も住宅の省エネルギー化のための支援制度は次々に創設されていくのではないかと予想しています。

確かに暑さ・寒さに悩まされない快適な住まいを一刻も早く手に入れたいというのが心情だと思います。

しかし新たな補助金が今後も創設されると考えられますので、「今じゃないと!」と焦る必要はないのかな、とも思っています。

慌てて工事をしても良いことばかりとは限りませんので、しっかりとリフォーム計画を立てて、希望に合わせて相談に乗ってくれる業者さんを探したいところですね。

それぞれの部位にかかる断熱リフォームの費用

断熱リフォームで優先順位を検討する時に気になるのはやはり工事費用だと思います。

それぞれの部位の断熱リフォームにかかる費用についても取り上げてみたいと思います。

窓は大きさによって費用が大幅に変わるため概算が難しいものの、住宅1棟すべての窓に内窓を設置するとおおよそ100万円~180万円くらいに収まることが多いです。
壁は住宅1棟の外皮で見てもかなりの面積を占めており、断熱リフォームを実施すればかなりの熱損失を抑え込めます。

しかしその分改修にかかる工事も非常に大掛かりとなりがちで、費用総額はおおよそ200〜300万円程度はかかると思います。

一般的な床の断熱リフォームは既存の床を剥がして新たな断熱材を設置して床を復旧する、という流れで行いますが、この場合の費用は100万円から200万円ほどが想定されます。

なお、《断熱リフォームの匠》でも取り扱っている”非破壊工法”による床下断熱リフォームでは、床を剥がす必要がないことから、60万円〜80万円程度の工事費用となります。

天井
天井の断熱リフォームも、床と同様に一般的には天井板を落として断熱材を新しく敷設します。その場合、やはり荷物の移動や仮住まいが必要となることから、費用の総額は100万円~150万円ほどになると思います。

こちらも天井板を壊さない非破壊工法による断熱リフォームであれば工事の費用は40万円から60万円程度になるでしょう。

まとめ

今回は2023年の最新の情勢を踏まえつつ、断熱リフォームの優先順位を解説してきました。

窓の断熱改修を行えば確実に住宅の省エネルギー化を実現できることに違いはありません。

特に今年は、窓に対する補助金が史上最大といえる大盤振る舞いですから、窓の断熱化にはもってこいだと言えるでしょう。

ただし、本当に欲しいものが「家の省エネ化」ではなく、「快適な住まい」なのだとしたら、住宅の状況や構造、暑さ・寒さのお悩みの状況によっては別の部位から取り掛かることを考えたほうが良いでしょう。

《断熱リフォームの匠》では、無料の断熱調査を実施しています。

もし少しでも興味をお持ちいただけたようでしたら、ぜひお気軽にご相談くださいませ。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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