老後に備えて検討してほしい「断熱リフォーム」|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2020.12.07 / 更新日 2021.08.10
断熱リフォーム
老後に備えて検討してほしい「断熱リフォーム」
WRITER
WRITER
矢崎 拓也
環境省認定うちエコ診断士
大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。
老後に備えたリフォームというと、
「間取りを変える」
「壁紙を新しくする」
「キッチンを変える」
「浴室をユニットバスにする」
「段差を無くして、手すりをつける」
などを考える方が多いのではないでしょうか。目に見える場所はどうしても気になりますよね。
しかし私がおすすめしたいのは「見えない場所」のリフォームである「断熱リフォーム」です。
これまで日本では建物の断熱性能があまり注目されてこなかったこともあり、リフォームについても「断熱性能をあげよう」気にされる方はあまり多くないように感じます。
しかし断熱リフォームは健康な暮らしを実現する上でとても大切なリフォームなのです。
室内の「温度差」で健康が失われるかも
同じ建物でも暖かい場所と寒い場所で「温度差」があります。
例えば、冬のお風呂場とリビング。暖房がついていて暖かいリビングから、冷えた廊下を通り、寒い脱衣所で洋服を脱ぎ、熱いお風呂に入る。
これはどのお家でもよく行われていることだと思います。しかし、この時実は体に見えない負担がかかっていることをご存知でしょうか。
暖かい場所では、血管は広がっており血圧は低い状態ですが、寒い場所に行くと血管は収縮して血圧は上がります。暖かい部屋から寒い部屋に移動すると急激な温度の変化で血圧も急激に変わります。血圧が急激にかわると心臓に負担がかかり脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすこともあります。このことを「ヒートショック」といいます。
実は毎年多くの高齢者がヒートショックにより命を落としています。
健康に過ごすためには、家の中の温度差をできるだけ少なくすることが大切ですが、そのために重要なのが「断熱性能」です。
断熱性能が低い家は、家の中の熱がどんどん外に出て行ってしまいます。暖房が効いていない場所では室外と温度があまり変わらない事もあります。
断熱性能が高い家は、クーラーボックスや魔法瓶と同じで熱が外に出ていくのを断熱材が妨いでくれます。また、外の冷たい空気が家の中に侵入するのを防ぐこともできます。冬の寒い夜に外気温が下がっても、家の中の温度も同じように下がってしまうことがなくなります。
断熱性能を上げる工事
では家の断熱性能を高め、家の中の健康リスクをなくす断熱リフォームとは具体的にどのようなリフォームのことをいうのでしょうか。
- 窓
- 床
の2つの部位に注目してみましょう。
家の中で大きな温度差ができにくい家は、これらの部位の断熱性能が高くなっています。
これらの部位の断熱性能を決めるのはそれぞれ「窓の性能」、「床下断熱材の性能」です。
これらをより高性能なものにするリフォームこそが重要であると言えるでしょう。
窓の断熱性能をあげるには
窓の断熱性能は
- 窓を交換
- 内窓を取り付ける
という大きく2種類の方法があります。
窓を交換する時は、窓ガラスが2重(複層ガラスといいます)になっていてサッシ部分が樹脂でできている窓を選ぶと良いでしょう。
複層ガラスは、2枚のガラスが合わさった寒さに強い窓ガラスです。
また、サッシについても、熱が伝わりにくい「樹脂」でできたものを選びましょう。
窓の断熱性能は、窓そのものを取り替えなくても「内窓の取り付け」という方法でもあげることができます。
内窓は今ある窓の上からもう一枚取り付ける窓です。窓そのものを2重にすることで冷気が伝わるのを防ぎ、部屋を暖かく保つことができます。
床の断熱性能をあげるには
フローリングは足を直接つけて歩く部位ですので、その分寒さが直接伝わりやすい部位です。床下に断熱材を設置することで、床下からの冷気による底冷えを減らすことができます。
床下への断熱材の設置方法には、「既存の床を剥がして上から設置する方法」と「床下や小屋裏に断熱材を持ち込んで設置する方法(非破壊工法)」の2つがあります。
非破壊工法は元々の床を剥がさずに行う断熱リフォームです。通常のリフォームに比べて施工費用を抑え工期を短くする事ができるので、リフォームの計画によって施工方法を選ぶといいでしょう。
まとめ
老後を考えて、家の断熱性能をあげたほうがよい理由と具体的な建物の断熱性能を上げるためのリフォームのご紹介をさせて頂きました。
住宅の断熱性能は、歳月を経るごとに段々重要視されるようになってきました。例えば、平成4年の基準で建てられた家と平成28年の基準で建てられた家とでは暖かさがかなり違います。
断熱性能を上げるリフォームには、省エネになるため補助金制度や減税制度もあります。お見積りの際には、補助金の対象になるかも確認して見ましょう。
断熱リフォームの匠では、窓・床・天井の断熱性能を現在の最新の基準に引き上げる断熱リフォームをおこなっています。こちらのページではより詳しくご紹介していますので、もし興味を持っていただけたようでしたらぜひご覧ください!