「断熱」と「遮熱」の違いとは?言葉の意味を正しく理解しよう!|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2021.09.30
内窓・窓リフォーム
「断熱」と「遮熱」の違いとは?言葉の意味を正しく理解しよう!
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矢崎 拓也
環境省認定うちエコ診断士
大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。
こんにちは。《断熱リフォームの匠》の矢崎です。
今回はこのような疑問にお答えします。
「断熱」と「遮熱」。この2つの言葉の意味を理解しておくことは実は大切です。これらは別の概念ですし、混同して解釈してしまうと
「夏なのに部屋を暑くなる」
「冬なのに部屋を寒くする」
といったことになってしまうかもしれないからです。
一緒に断熱と遮熱の違いについて勉強していきましょう!
断熱と遮熱の違いとは?
断熱と遮熱の違いを一言で表すと「熱の扱い方」です。
断熱は伝わる熱の量を減らすこと、遮熱は太陽の光を反射することで受け取る熱の量を減らすことをいいます。
それぞれの違いをもう少し詳しくみていきましょう。
伝わる熱を減らす「断熱」
まずは「断熱」の役割から考えてみましょう。
断熱とは「赤外線などの電磁波が伝わるのを防ぐ」ことを意味します。
私たちの体は赤外線に触れた時、温かさを感じます。
- 太陽の光
- アスファルトの熱
- ストーブの炎
- ガスコンロの火
- インスタントカイロ
などを想像してみてください。
これは、赤外線には私たちの体を温める役割があるからです。ちなみに熱を感じるのはものだけではありません。
例えば30分くらいジョギングをしてきた人が隣にいると、恐らく「暑い」と感じるのではないかと思います。これはその人が出している赤外線の影響を受けているからです。
このように、私たちは色々な存在と熱のやりとりをしています。そして断熱とは、このやりとりする熱の量を少なくする働きのことをいいます。
断熱性能の高い素材にぶつかった赤外線はほんの少ししか通り抜けることができません。この仕組みを利用したのが住宅の断熱材です。天井、床、壁などに断熱があれば、外から伝わる熱の大きさが小さくなる分、「暑さ」を感じにくくすることができます。
ちなみにこれは「与える側」と「受け取る側」が逆になった時も同じです。
どういうことかというと、季節が夏から冬になったとき、それまでは建物から熱を受け取っていたのが、逆に建物に熱を「奪われる」ことになります。
先程のジョギングを思い出してみてください。「周囲への熱の放出」は自分の意思に関係なく行われます。そこで体の熱を奪われないようにするために厚着をして、体温の維持を行なっているわけです。
床・壁・天井の断熱性能を上げると「与える熱の量」が減りますので、冬には寒さを感じにくくすることもできます。
受け取る熱の量を減らす遮熱
断熱とよく一緒に使われる「遮熱」ですが、遮熱はそもそもの受け取る熱の量を少なくする仕組みです。
遮熱とは、物質や人間から放出される熱を「跳ね返す」働きのことをいいます。
断熱が私たちが受け取った熱の大きさを小さくし、暑さや寒さを感じにくくすることであったのに対して、遮熱は熱そのものを「受け取らない」ための仕組みです。
建物にとって遮熱はとても大切です。実は家の中には断熱だけでは快適な空間が作れない場所があります。それは「窓」です。窓の遮熱性能が低い家はとても住み心地が悪くなってしまいます。なぜかというと、窓は室内に太陽の光を取り入れるからです。
太陽の光が部屋の中に入ってくると、そこで熱が生まれます。冬は暖かいのでそれで問題ありませんが、夏場はとても暑い家になってしまいます。この問題を解決するためのカギが「遮熱」というわけです。
ちなみに、壁や天井のように、「光を通さない」素材でできている場合は光は建物の中に入らず光が当たった場所が熱くなります。この時もしそれが断熱ができる素材であれば、そのまま部屋の中まで伝わる熱量も少なくなる、という仕組みです。
このことから、屋根には遮熱成分が入った塗料が使われることもあります。
まとめ
今回は断熱と遮熱の違いについて解説しました。断熱と遮熱、両方の性質を上手く利用することで、快適な住宅を作ることができます。
《断熱リフォームの匠》では、既存住宅の断熱性能を上げるためのリフォームを行っています。お客様にとってどのような計画を立てれば年中を通して住みやすい家にできるかを、無料で調査・ご提案させていただいています。
もし、「暑さや寒さを感じにくい家」に興味を持っていただいているようでしたら、ぜひこちらのページをご覧ください。