二重窓・二重サッシ・内窓の違いは?ペアガラスや複層ガラスと何が違うの?|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2024.08.26 / 更新日 2024.10.08
内窓・窓リフォーム断熱リフォーム
二重窓・二重サッシ・内窓の違いは?ペアガラスや複層ガラスと何が違うの?
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廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士
地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
「二重サッシ、二重窓、内窓って?」
「ペアガラス、複層ガラスとは?」
近年、窓の性能を向上するリフォーム工事が盛んにメディアでも取り上げられていますが、お問い合わせの段階で多く聞かれるのが、「聞き慣れない単語が多くてなかなか理解が深まらない」というお悩みの声です。
インターネット上で様々な情報がすぐに調べられるため、情報量が多すぎて困ってしまうのは窓に関する用語ついても同じでしょう。この記事では、窓の断熱化を調べる際に目にすることの多い単語、二重窓と二重サッシ、内窓、ペアガラス、複層ガラスについてをさっくりと解説していきます。
目次
【結論】二重窓とペアガラスは何が違う?
ペアガラスとはガラスの構造のことであり、二重窓とは窓の構造のことを指しています。
ペアガラスは1つの窓に2枚のガラスを使うガラス構造、二重窓は窓自体が前後に2つある二重の窓構造
ペアガラスは窓のガラス部分に注目した際に、2枚のガラスを空間を空けた状態で重ねた形状をしているもののことを指します。
一方で二重窓というのは、窓の全体を見たときに開口面がふたつ連続している構造(ひとつ窓を開けても、すぐに窓がもうひとつ在る構造)のことを指しています。
ペアガラス | 二重窓 | |
---|---|---|
どこの部分? | ガラスの構造のうちの一つ | 窓の構造のうちの一つ |
特徴 | 2枚のガラスの空間を空けて重ねた形状のガラスのこと | 既存の窓の内側に設置する窓のこと |
別名 | 複層ガラス | 二重サッシ、内窓 |
これだけだと分かりにくいと思いますので、次の章で詳しく解説していきます。
ペアガラス、複層ガラスとは
ペアガラスは複層ガラスとも呼ばれ、このふたつに違いはありません。
2枚のガラスを1cm〜1.5cm程度の隙間を開けて並べ、四辺を密閉材料により封着(ふうちゃく)します。こうすることで、ガラス同士の間に空気が閉じ込められることになります。
密閉された空気は、熱を通しにくい性質を持っています。この特性によって光は通しながらも、高い断熱性能を持ったガラスを作り上げることが可能になるのです。
※画像はYKK AP画像データより引用
過去には1枚板ガラスの単板ガラスが主流でしたが、現在の新築住宅はほぼ全ての窓において複層ガラスで構成されています。最近では3枚のガラスを使用したトリプルガラスも使用されるようになってきました。
また、複層ガラスの中でも「Low-E複層ガラス」と呼ばれるものや、中空層にアルゴンガス等の不活性ガスを封入したタイプの複層ガラスも存在します。
これらもガラスの断熱性能をより高めるための工夫がされた商品であり、結果として窓からの熱の移動を更に少なくする効果が期待できます。
二重窓、二重サッシ、内窓とは
二重窓と二重サッシは同じものを指していますので、違いは特にありません。
二重窓というのは、単純に窓が二重構造になっているものを指します。窓を開けてもすぐ外気に接することはなく、もう1回窓を開けることで外からの空気が入ります。
この構造は、断熱や防音が主な目的です。都市部の大通り沿いや、空港・飛行場の近隣などの住宅、寒冷地やスキー場近くの宿泊施設等でも見かけることがあります。
二重窓・二重サッシ | 内窓・インナーサッシ |
---|---|
窓が二重構造になっているものの総称 | 二重構造の窓の内側(室内側)の窓のこと |
対して内窓は二重窓における内側(室内側)の窓だけを指して使う用語です。インナーサッシと呼ばれることもあります。もともとの窓が一重窓(ここでは便宜上そう呼びます)の場合でも、内窓を新たに設置すればその窓は二重窓になるという理屈ですね。
二重窓の特徴は、やはり第一に断熱性能を大幅に向上することが可能な点です。窓と窓の間に閉じ込められた空気の層が緩衝材の役割を果たし、夏の暑さ・冬の寒さに起因する不快感から室内を守ることができます。
また、窓が二重になることにより、気密性も高めることができます。「気密性が高まる」とは、言い換えれば「すきま風が減る」ことです。すきま風が多ければ外から暑い空気・寒い空気がどんどん入ってきますし、屋外の騒音もそれだけ室内に響いてくるわけです。
窓と窓の間の空気の層により、断熱性能や気密性能、遮音性能の向上が期待できる。
二重窓は、そういった住宅の困りごとの根本原因である気密性の低さを改善することが出来るため、非常に理に適った方法であると言えるのです。
さらに、より高性能な二重窓を形成するために、内窓そのものにもペアガラスが組み込まれることが非常に多くなっています。(※当然、Low-E複層ガラスやガス入りLow-E複層ガラスで組まれているものもあります)
このような構造だと更に熱が移動しにくくなり、その分だけ住宅の快適性の向上にも寄与します。断熱リフォームの匠でもご依頼数が年々増加している断熱リフォームになっており、その注目度が伺えますね。
窓リフォームには二重窓とペアガラスどっち?
さて、複層ガラスと二重窓のそれぞれについて特徴を説明してまいりましたが、住宅の断熱リフォームを考えた場合にどちらを選ぶべきでしょうか。結論から言いますと、断熱性のことだけを考慮すれば二重窓が断然に優れています。
ペアガラスでも断熱効果は高めることは可能なのですが注意点があります。ガラスだけを単板ガラスからペアガラスに交換する場合には、既存のサッシ(フレーム)の部分の性能も考えなければなりません。
おおよそ築20年を超える住宅においては、ほとんどの窓にアルミ製のサッシが使用されています。アルミは熱伝導率が高い材質であり、つまりは外気温の影響を受けて暑さ・寒さを室内に伝えてしまいます。
ガラスの性能だけを高めても、サッシからどんどん熱が移動してしまうため、結果として大幅な改善は見込めなくなってしまうのです。その点では内窓はサッシがアルミではなく樹脂で構成されているため、熱の移動が大幅に削減できる造りになっています。
性能値で言うと、アルミと樹脂では約1000倍も熱の伝えにくさに差があるので、それだけを見ても断熱性能の差は歴然です。加えて先述したとおり、内窓を取り付けると窓同士の間の空間も断熱層として活用することができるようになります。
ペアガラス | 二重窓 | |
---|---|---|
断熱性能 | △ | ◯ |
費用対効果 | ✕ | ◯ |
二重窓は窓全体の断熱性能を大幅に向上できるとともに、1窓あたりの施工費用の点でもコストパフォーマンスに優れていますので、住宅の断熱化を検討するときに、真っ先に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
二重窓にも欠点はある
もちろん、二重窓も万能というわけではなく欠点も持ち合わせています。よく聞かれるのが、「出窓に内窓をつけると荷物や小物が置けなくなる」というご意見ですね。
内窓の取り付け幅が必要になるため、特にキッチンの出窓など、食器や調味料の小瓶を置かれていらっしゃる場合は、別の置き場所を考え直さなければなりません。
また、単純に開閉の手間は2倍に増えることになりますので、毎日のように使う窓の場合には面倒に感じることも確かにあるでしょう。そのような場合には、開閉が多い箇所は別の断熱化の方法を検討し、それ以外の場所を内窓の取り付けで検討してみるのが良いと思います。
普段の生活スタイルと照らし合わせながら断熱プランを組み立てていくようにしましょう。ちなみに内窓以外の改修方法としては、ペアガラスへの交換の他に、カバー工法による窓の交換などもありますので、合わせて検討してみてください。
今なら補助金でお得に二重窓の取り付けができる
窓の断熱リフォームを考えていく上で欠かせないのが補助金の存在です。現在、政府は国際的な約束として2050年カーボン・ニュートラルを掲げており、そのための政策を次々と打ち出しています。
特に住宅部門に対する補助金制度を拡充させており、窓の断熱化に対しても年間1000億円を優に超える予算を編成しています。特筆すべきは先進的窓リノベ事業と呼ばれる取り組みで、内窓工事の費用がおよそ4割~5割戻ってくるという、非常に魅力的な補助制度になっています。
窓の断熱化をするのでしたら絶対に活用したい制度ですので、窓工事を検討する際には必ず活用を前提にしたプランを考えるようにしましょう。
また、国の政策だけではなく各自治体(都道府県・市区町村など)も独自の補助制度を打ち出しているところもあります。
多くの制度は国の補助制度との併用が可能となっており、より一層負担を軽減しながらの工事が可能な場合もありますので、ホームページなどを使ってお住まいの地域を調べてみることをおすすめいたします。
まとめ|二重窓の設置は無料断熱調査から
今回はペアガラス・複層ガラスと二重窓、内窓の違いについて解説いたしました。
似たような用語が多く混同しがちな内容ではありますが、窓全体を指しているのか、ガラスのことを意味しているのかで区別すれば、意外とすんなり理解できるのではないでしょうか。
ペアガラスは断熱性能の向上のために開発されたガラスではあるものの、窓はガラスとサッシによって構成されており、どちらか片方だけを交換しても充分な効果が得られるというものではありません。既存の窓自体の性能が低い場合には、窓全体まで視野を広げて断熱化を考えていくようにしましょう。
単純な性能の向上率や費用対効果で言えば、内窓の取り付けによる二重窓化が圧倒的に優れていますので、改修計画の基本に据えてみてください。
その上で、内窓のデメリットである開閉の手間や置き場スペースの減少を考慮したい場合には、既存の窓のガラスをペアガラスに交換したり、窓自体を新しいものに交換する等の窓リフォームを一緒に考えていく必要があります。
窓の全体の性能を上げることにより快適な住まいを実現することができようになりますので、工事をお願いする際には、それぞれの改修方法に詳しい業者を選ぶようにしてくださいね。
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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
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