二重窓・内窓にしたら後悔…失敗しない解決策とは|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2024.09.10 / 更新日 2024.10.08
内窓・窓リフォーム
二重窓・内窓にしたら後悔…失敗しない解決策とは
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廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士
地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
「二重窓にしたら後悔しないかな」
「内窓で後悔した人の話を聞きたい」
多くのwebサイトでも紹介されているように、内窓(二重窓)を設置することは家の暑さ・寒さを改善するために非常に効果的です。ところが、内窓(二重窓)を設置したことに後悔する方も中にはいらっしゃいます。なぜなのでしょうか?
後悔するのにも明確な理由があり、実は避けたほうが良い方策を知らず知らず採ってしまっていることが非常に多いのだと思います。今回は内窓を設置された方の声を中心にご紹介し、後悔しない内窓工事がどういうものか模索していきます。
目次
内窓(二重窓)にして後悔する理由とは?
二重窓にした際の後悔ポイントというのは、大きく分けると3つに分けられます。それが「効果」「手間」「見た目」です。それぞれの後悔について詳しく見ていきましょう。
後悔ポイント①:効果の要素
せっかくお金をかけて内窓を設置したのに、効き目を感じられないとなると、やはり大きな後悔をするのではないでしょうか?実は、効果が十分に発揮されなくなってしまう原因というのも明確に存在します。
「一部にしか内窓を取り付けなかったので効果が薄い」
弊社でもよく調査にお伺いすると耳にするのは「一部の窓にしか内窓を設置しない」ことによる後悔です。ひとつの居室には窓が複数設置されていることが多いのは、感覚的にお分かりになるでしょう。
リビングダイニングを例に挙げると、大きな掃き出し窓が1~2ヶ所あり、その他に腰高窓や小窓がいくつかある、といった間取りは非常に多いですね。
たしかに大きな窓は冬には冷気が入り込み、夏には熱を大量に室内に運び込みますので、大きな窓を対策すれば解消すると考えるのは確かに間違いではありません。
ただし、熱の出入りは大きな窓だけではありません。性能値で言えば、家を建てる時に特別に仕様を変更しない限り掃き出し窓と腰高窓で違いが生じることはありません。内窓を設置しなかった窓は、当然ながら性能値が低いままなので今までと変わらず冷気や熱気が出入りしています。
つまり内窓を設置した窓は性能が向上し、冷気・熱気が遮るようになった結果、それまであまり目立たなかった小さい窓からの冷気・熱気をより感じやすくなってしまうのです。
部屋の一部の窓だけ性能が向上することで、取り残された窓に結露が増えることも懸念事項として考えられますね。窓の断熱改修を検討する場合、ひとつの部屋に存在する窓はすべて断熱化を実施するのが大原則です。この原則に従うことで、効果を感じられないという後悔の大部分を解消することができます。
「費用を優先しすぎて効果を感じない」
また、設置する内窓の性能についても注意を払う必要があります。内窓のガラスは最低でも「複層ガラス(ペアガラス)」、できれば「Low-E複層ガラス」や「ガス入りLow-E複層ガラス」を選択しましょう。
単板ガラス |
断熱性能:低 コストパフォーマンスに優れるものの、1枚ガラスのため断熱性能で他のガラスよりも劣る。 |
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複層ガラス |
断熱性能:普通 複層ガラス(ペアガラス)は2枚のガラスを並べて間に空気層を設けているため、断熱性能が単板ガラスと比較して高い。 |
Low-E複層ガラス (遮熱タイプ) |
断熱性能:高 2枚のガラスの間に設けられた空気層に加えて、Low-E(低放射)コーティングが施されています。このコーティングは太陽からの赤外線を反射し、室内への熱の侵入を防ぎます。 |
Low-E複層ガラス (断熱タイプ) |
断熱性能:高 遮熱タイプと同様に2枚のガラスの間に空気層を持ち、Low-Eコーティングが施されていますが、こちらは太陽光を積極的に取り入れつつ室内の熱を逃がさないように設計されています。 |
費用の安さだけに注目して単板ガラスを選ぶと、期待ほどの性能向上が得られない可能性があります。
現在は窓の性能向上を図るために様々な工夫がされたガラスが商品化されていますので、快適な生活を目指すためにしっかりとした商品を選びましょう。その方が、費用をかける分に見合った効果が得られるのではないかと思います。
「DIYで内窓を付けたら効果を感じない」
DIYで内窓を設置したことにより、スキマが生じる等の理由で本来の性能を発揮できなかった事例も何度もお話を聞いています。
現在はインターネットで内窓の材料だけを注文することも可能ですので、DIYが得意な方でしたらご自身で設置することも可能です。しかしながら、DIYで設置したとことで内窓と既存の窓枠との間にスキマが生じたりすることは珍しいことではありません。
年数の経った住宅に多いのですが、既存の窓枠というのは経年劣化や長年の振動により、わずかに歪んでいることがあります。これは住宅ごとに状況が変わりますので、内窓の寸法を割り出すのはたとえプロであっても慎重になる作業です。
ぴったり内窓を納められないとすきま風が生じてしまい、断熱性能の低下を招きます。結果として「プロの業者に任せればよかった」と後悔につながることになるという形ですね。
「窓以外の断熱性能が原因で効果を感じられない」
これは内窓そのものの後悔というよりも、内窓以外に原因がある事例です。
「内窓は確かに効果があったが、それでもまだ2階の部屋が暑い」
これらの原因は、床下や天井の断熱性能が低いことにより、そっち側からの熱の移動が激しいがゆえに効果を感じられないというものです。
特に床の底冷えは内窓を設置しただけでは解決しないことも多く、毎年冬になると弊社へ同様の問い合わせが増える傾向にあります。
これは内窓だけではなく、該当する部位の断熱リフォームも絡めて考えねばなりませんので、一度断熱に詳しい業者に診てもらうことを強くおすすめします。
後悔ポイント②:手間の要素
内窓の設置による後悔ポイントのふたつ目は、手間が増えることに対する抵抗感です。今ある窓の内側に窓が一つ増えるため「面倒なことが増えてしまった」という後悔を耳にすることがあります。
「2枚の窓を開ける作業が面倒だった」
二重窓はその名の通り、窓が前後に2枚並んで配置されています。1枚目の窓を開けても外気に直接触れることはなく、もう1枚の窓を開ける必要があります。特にリビングなどの掃き出し窓を頻繁に使用する場合、出入りのたびに2枚の窓を開け閉めする手間が発生し、これがわずらわしく感じることもあるでしょう。
さらに、日常的に外に出入りする頻度が高い家庭では、この手間が積み重なり、家事や生活動線に少なからず影響を与えることもあります。特に、家事の合間や忙しい時間帯では、窓を2回開け閉めする動作が面倒に感じやすいです。また、窓のサイズや重量によっては力を使う必要があるため、高齢者や子供には不便に感じることも考えられます。
「窓周辺の掃除が増えてしまった」
窓と窓の間が掃除しにくいという点も、よく指摘される問題です。特に二重窓を頻繁に開閉する場合、この隙間にホコリや汚れがたまりやすくなり、掃除の手間が増えることが考えられます。
ただし、二重窓を閉めた状態ではホコリが入り込みにくいため、あまり開閉しない窓に関しては、この問題はさほど気にする必要はないかもしれません。
後悔ポイント③:見た目の要素
内窓を設置した結果、室内空間の見た目が変化することで後悔を感じる方もいらっしゃるようです。
「部屋の中を狭く感じるようになった」
これは内窓の特性を考えると分かるのですが、窓枠の部分にレールを取り付けて内窓をはめ込んでいくため、レールの幅の分だけ窓が室内側に迫ってくることになります。
特に顕著なのがふかし枠を使用して内窓を取り付けた場合です。ふかし枠とは、内窓の取り付け幅が不足する際に、窓枠を室内側に出っ張らせることで取り付け幅を確保するための専用枠です。
窓のメーカーによって多少の差はありますが、ふかし枠はおおむね20mm・40mm・70mmなどの出幅で設計されています。出っ張り幅が40mmより大きいふかし枠を使用すると、私自身としてもかなりの圧迫感を感じると思っています。
その場合は窓だけが壁より迫り出していることになりますので、室内側からの景観に違和感を覚える方も中にはいらっしゃるのは当然だろうなと思いますね。
「窓際にものを置けなくなった」
窓枠に小物を置いていた場合には、そのスペースが内窓用の枠に占められてしまうため、別の場所へ移動しないといけなくなります。
キッチンの出窓に調味料や食器棚を置かれている方にとっては、内窓によってそれらの小物が置けなくなることにかなりの抵抗感を感じるようですね。
実際、断熱リフォームの匠に工事をご依頼いただいたお客様の中にも、出窓には物を置きたいからとキッチンの内窓設置を見送った方がたくさんいらっしゃいます。
窓の断熱リフォームは、室内を快適にして暮らしの質を高められる優れた工事ですが、何も考えずにただ内窓を設置することを考えてしまうと、逆に生活が不便になってしまうこともあると覚えておきましょう。
内窓(二重窓)にして満足したことは?
さて、内窓に関する様々な後悔ポイントについて解説してきましたが、では内窓の設置は避けた方が良いのでしょうか?実は決してそうではなく内窓を設置して満足される方が圧倒的に多いのです。
内窓には多くのメリットがあり、それが多くのお客様に選ばれる理由でもあります。他の多くのWebサイトでも触れられていますが、ここで改めて内窓を設置することで得られる具体的なメリットについて整理しておきましょう。
満足ポイント①:「暑さや寒さが改善しました」
もはや言うまでもありませんが、内窓設置することで窓からの熱の出入りを大幅に抑制することが可能で、それだけ冷暖房の効果も大幅に向上します。
今ある窓が性能の低い古い窓であっても、内窓を取り付けることで性能値で言えば3倍~4倍の断熱性能に高めることが可能なのです。
満足ポイント②:「防音効果をとても感じます」
内窓によって窓の気密性が高まることですきま風が減少し、結果として音波(騒音)の伝わりも減少することに繋がります。
換気小窓からの風鳴りが気になっていたお客様も、内窓を設置した後は夜ぐっすりと眠れるようになったとお喜びだったのが印象的ですね。
引用元:Googleビジネスプロフィール
満足ポイント③:「補助金を活用したので安く設置することができました」
詳しい解説は別のコラムでもしておりますが、窓の断熱化には補助金を活用できることがほとんどです。お住まいの地域によっては複数の補助金を同時に活用することで工事費用の半分以上が返ってきたり、場合によっては7割以上還元された事例もあるほどです。
内窓の設置工事というのは、他の窓改修方法を比較してもコストパフォーマンスが非常に優れているため、補助金の恩恵も最大限に受けることが可能です。
補助金のことに精通していない窓業者に工事をお願いすると、貰えるはずの助成が受けられなかったという事態にもつながりかねません。工事を検討する際には、補助金に関しても安心して任せられる会社に依頼するようにしたいですね。
満足ポイント④:「見栄えが良くなりました」
意外に思われるかもしれませんが、内窓を設置することで室内が明るく感じられるようになったというお客様も少なくありません。
今ある窓のフレームの色がブラックなどの暗色の場合、内窓のフレーム色を明るめのものに設定するだけでも、室内の雰囲気も変わるものです。特に古いアルミフレームの窓の場合には、内窓を設置するとそれだけで窓辺がきれいになったと感じられる点も確かにありますね。
その逆の事例もあり、新築間もない住宅では、壁紙や窓枠、フレームまでホワイトで統一されていることがありますが、そこに木目調の内窓を取り付けたことで「落ち着いた雰囲気に仕上げることができて嬉しい」という声をいただいたことがあります。
もちろん、景観をあまり変えたくないからと現在の窓のカラーに近い色を選択される方も多いため、実は意外と考えるのが楽しい工事でもあるのです。
満足ポイント⑤:「結露が軽減されました」
結露というのは、室内の水蒸気が窓のガラス面やフレームで冷やされて発生する水滴のことです。
内窓を設置すると温度の低下が緩やかになるため、露点(結露が発生する温度)まで下がることが減少し、結果として結露のお悩みを解消することも可能なのです。
内窓を設置して住宅の窓を二重窓に改修することは、メリットの方が圧倒的に大きいと断言できますので、暑さ・寒さにお悩みの際にはぜひ検討してみてください。
どうすれば二重窓で後悔しない?
以上を踏まえると、後悔しないためのポイントは以下の通りです。
- ①内窓は全ての窓に設置する
- 一部だけの設置では、十分な断熱効果が得られません!
- ②Low-E複層ガラスを選ぶ
- ガラスは価格だけでなく、性能を重視しましょう!
- ③DIYでなく専門業者に依頼する
- 確実な施工には、やはり専門業者が安心です!
- ④窓以外の断熱性能にも注目する
- 床や天井の断熱が不十分だと、内窓だけでは効果が薄いかもしれません。
- ⑤手間が気になる場合は他の工法も検討する
- 手間や仕上がりが気になるなら、カバー工法など他の選択肢も比較しましょう!
まとめ
今回は内窓を設置した際の後悔ポイントについて解説しました。
せっかく内窓を住宅に設置するなら効果が感じられないことは避けたいのはもちろん、室内の景観を損なったり、圧迫感を感じることはなるべく回避したいところです。
とはいえ、内窓を設置することで得られる恩恵は欠点を補って余りあるほどですので、窓の断熱化を考える場合にはまず第一に候補に挙げて検討を始めていきましょう。
DIYで工事が出来ないわけではありませんが、取り付けを失敗すると取り返しがつかないため、ちゃんと責任を持って工事をしてくれる専門業者にお願いする方が間違いはありません。
窓の断熱化は二重窓の他にもカバー工法による改修やガラス交換など、さまざまなやり方が存在します。それらを組み合わせて考えることで最適な方法を考えれば、後悔しない窓リフォームが実現できるのではないでしょうか。
首都圏で年間200棟の施工実績
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窓・床下・天井を壊さず断熱
1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
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