床下断熱リフォームとは?費用や効果・補助金利用について徹底解説|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2024.10.21

断熱リフォーム

床下断熱リフォームとは?費用や効果・補助金利用について徹底解説

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

床下断熱リフォームを検討中です
1階の足元が寒くて困っています

寒さ対策として近年人気が高まっている床下断熱リフォームですが、その施工方法やメリットを知ることで、より効率的に住まいを暖かく保つことができます。そこでこの記事では、床下断熱リフォームの基礎からその費用、具体的な効果、さらに補助金の活用方法について詳しく解説します。

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床下断熱リフォームの施工方法の種類は?

まず、床下断熱リフォームには主に2つの工法があります。一つがボード状の断熱材を貼り付ける施工法、もう一つが発泡性の断熱材を吹き付ける施工法です。他にも床を剥がして断熱材を入れ替える従来型のリフォームもありますが、最近では前述の2工法が増加傾向にあります。

工法 特徴 工期
断熱材の張り付け
(高性能グラスウールボード)
ボード状の断熱材を床下から直接床裏側に張り付ける 約1日
断熱材の吹き付け
(現場発泡ウレタンフォーム)
床下にホースを引き込み発泡性の断熱材を床面裏側に吹き付ける 約1日
※参考
床を剥がしての断熱リフォーム
床板を剥がして断熱材を取り替える(床下に入らず施工する) 約1週間
断熱材の取付

(写真)床下に入り断熱材を施工する近年主流の施工方法。床を剥がさないため住みながら工事ができる。

(写真)従来からある工法。床を剥がす必要があるため工期、費用ともにかかる。

床下に入り施工する方法が多くなってきた要因として、お客様の負担軽減が主に挙げられます。従来行われていた床を剥がす工法だと、部屋の荷物の移動から床解体、施工、床復旧という大掛かりな工事が必要です。更に、場合によっては仮住まいが必要になる恐れもあるため、なかなか気軽に行えるリフォームではありませんでした。

その点、床下に入って施工する工法であれば最短1日で施工が完了するため、どなたでも工事を依頼しやすいものになっているのです。工法の詳細については別途記事を作成しています。詳細は下記記事をご覧ください。

【工法1】床断熱材の張り付け(高性能グラスウール)

では、それぞれの工法を細かく見ていきましょう。1つ目の工法が床断熱材を床下側から張り付ける工法です。使用する断熱材は床下からの施工専用の断熱材を使用します。具体的には、リフォーム用アクリアUボードピンレス(メーカーHP)などの高性能グラスウールボードです。

ボード状グラスウール

(写真)リフォーム用の高性能グラスウールボード。床下でも取り回しやすい大きさになっている。
床を剥がす断熱工事

(写真)主に床を剥がすリフォームで使われるポリスチレンフォーム。床下から施工することもできる。

 
グラスウールボード以外にも、ポリスチレンフォーム(スタイロフォームなど)を使用することがありますが、やはり柔軟性のあるグラスウールボードのほうが床下からの施工に向いています。ポリスチレンフォームは板状で柔軟性が無いため、施工精度がよりシビアになるからです。

床下への断熱材の搬入

(写真)床下に断熱材を搬入する。

(写真)断熱材に付いている不織布をガンタッカーで木材に固定して施工する。

 
具体的な施工方法は、まず幅45cm・長さ90cm程度の断熱材を床下に運び入れます。その後、床下の大引き材の間に断熱材を1枚1枚はめ込んで固定します。

また、断熱材の施工前には気流止めという処置も行います。一般的な木造家屋は、床下と壁内空間が構造上繋がっています。床下は外気を取り入れるため、壁内と繋がっていると壁の中にも外気が侵入してしまうのです。

(写真)気流止め作業も必要な処理。断熱材を施工する前に隙間をうめる。
気流止めが必要な場所

(写真)在来木造家屋にはこのような隙間が多く、断熱性能を下げる要因の一つとなっている。

 
昔の建物には断熱という概念が無かったため、通風する構造は理にかなったものでしたが、現代の住宅においてはその隙間を埋める必要があります。床下断熱リフォームでは、袋入り断熱材を隙間に詰めて気流を物理的に遮断します。

【工法2】床断熱材の吹き付け(現場発泡ウレタンフォーム)

続いて、現場発泡ウレタンフォームを使用した床下断熱リフォームです。こちらは、先程の高性能グラスウールボードとは施工方法が大きく異なり、液体状の原料をホースを介して床下まで搬入し、施工面(床板)に直接吹き付けて施工します。

現場発泡ウレタンフォーム

(写真)床下上面全体にウレタンフォームを吹き付ける。
現場発泡ウレタンフォーム

(写真)吹き付け工法のため見た目の問題が生じる。

 
現場発泡という名前の通り、吹き付けた断熱材は30倍〜100倍(製品により異なります)に膨れ上がり、それが断熱材として機能します。施工中に膨れ上がるため隙間が生じにくく、断熱リフォームとの相性も良い施工方法と言えるでしょう。

ただし、見た目がいびつになる点や、メンテナンスが困難になる点、施工者の健康への影響などのデメリットがあることも忘れてはなりません。

【工法3】床を剥がしての断熱リフォーム

従来は床を剥がして床下を露出させ、断熱材を施工する工法が主流でした。現在でも度々行われていますが、前述の2工法と比較して、当施工方法のニーズは若干異なります。具体的には、大規模なリフォーム・リノベーションを行うタイミングに好まれる工法です。

床下断熱リフォームのためだけに床を剥がすのは効率的な方法とは言えません。しかし、他のリフォームと合わせて床下の断熱リフォームを実施するのであれば、床を剥がして施工をしたほうが良い場合もあります。

(写真)床板を剥がして断熱材を施工した事例。
床を剥がして断熱材を追加する

(写真)床下に入る必要がないため、施工者の負担は減る。

 
例えば、床を張り替える場合や水回りを移動させるなどの大掛かりなリフォーム時です。床を剥がす前提のリフォームであれば、そのついでに断熱材も施工できるので負担を少なくすることができます。

それぞれの工法はどんな人向け?
工法 向いている人
断熱材の張り付け
(高性能グラスウールボード)
・気軽に断熱性能を上げたい
・施工後のメンテナンス性も考慮したい
断熱材の吹き付け
(現場発泡ウレタンフォーム)
・断熱性能をとにかく上げたい
・仕上がりの見た目はそこまで気にしない
※参考
床を剥がしての断熱リフォーム
・大規模なリフォームを考えている
・全体的なリノベーションを予定している

床下断熱リフォームの費用相場

では、床下断熱リフォームの費用はいくらくらいが目安なのでしょうか。ここからは、費用の相場について見ていきましょう。費用は大きく分けると、床を剥がすパターン(非破壊工法)床を剥がさず床下から施工するパターンで異なります。

床下から施工
非破壊工法
床を剥がす
従来工法
断熱工事 50万〜70万円 80万〜120万円
その他費用 なし 約80万円
荷物撤去や仮住まい
総額 50万〜70万円 160万〜200万円
工期 約1日 1週間程度

床下から施工する場合は、断熱工事費用が総額となります。対して床を剥がす工法の場合は、工事費用以外にも荷物撤去や仮住まいが必要となる場合が多く、別途費用が必要となります。そのため、トータルでみると100万円程度の差がつくことも珍しくありません。

補助金を使えばお得に

また、床下断熱リフォームをする上で忘れてはならないのが補助金です。現在は住宅の省エネ化のために国が補助金を創設して断熱リフォームを推進していますので、工事を検討する際には積極的に活用していきましょう。

今年度は子育てエコホーム支援事業等の補助制度があり、床下断熱リフォームに対しても一定の補助が見込まれます。

1階床面積での補助額目安

約40㎡〜:72,000円
約80㎡〜:96,000円

断熱リフォームの匠で床下断熱リフォーム工事を想定した場合、工事の規模に応じて72,000円~96,000円程度の補助が見込めるため、施工をお願いする業者には必ず補助金の申請に関して確認をとっておきましょう。

床下断熱リフォームの効果

ここまで工法の違いや費用について解説しましたが、実際に床下断熱リフォームをするとどのような効果があるのでしょうか。ここからは断熱工事による効果について見ていきます。

そもそも、床下断熱リフォームが断熱対策(寒さ対策)になる理由ですが、簡単に言うと室内の暖かい熱が冷たい外気へ移動するのを和らげる効果があるからです。逆に言えば外の冷気が室内に入るのを和らげる効果があるとも言えます。

冬に部屋が寒くなる理由の図

前述のとおり、一般木造家屋は床下と壁内が筒抜けになっています。また、床断熱材もほとんどの住宅が十分な性能の断熱材が使用されているとは言えないのが現状です。仮に性能の高い断熱材が施工されていても、欠損や隙間、落下などは多くの住宅で見られます。

(写真)断熱性能が足りていなかったり、断熱材が正しく施工されていないことが多い。
間仕切り壁の気流止め

(写真)壁下の隙間は部屋が寒くなる原因の一つ。

 
床下断熱リフォームはこれらの断熱的欠点を是正し、住みやすい室内環境へと変えることができます。具体的な事例として下の例を挙げると、床下断熱リフォーム施工箇所と未施工箇所で5〜6度の表面温度の違いが出ています。

(写真)未施工箇所の床面サーモグラフィー。

(写真)断熱リフォーム施工箇所の床面サーモグラフィー。

 
この検証は、一つの部屋を未施工箇所、施工箇所で半分に分けて、室内を暖房で暖めてから計測したものです。未施工部では冷気が床まで伝わっていることがよく分かる結果となっています。こちらの検証については詳細記事を作成していますので、こちらも合わせてご確認いただけると幸いです。

床下断熱リフォームを依頼する流れ

冬場になると足元が寒いと感じる場合は、床下の断熱状況が良くない可能性が非常に高いですので、まずは専門の業者に診てもらうことをオススメいたします

弊社(断熱リフォームの匠)の場合、まずはお問い合わせフォームからお申し込みをいただき、ご希望の日程に断熱調査のため訪問いたします。調査の結果を踏まえて状況の報告とご提案、そして後日お見積もりを作成いたします。内容についてご確認いただいた後にご契約・工事の実施、という流れで進んでいきます。

1.申し込み
申し込み

メールフォームやお電話からお申し込み。
2.現地調査(断熱調査)
現地調査

スタッフが床下に入って断熱状況をチェック。
3.ご報告・お見積り提出
報告

結果報告とご提案。後日見積書のご提出。
4.断熱リフォームの施工
施工

非破壊工法で住んだまま施工を実施。

床下断熱リフォームの注意点

1.床下に入れないと工事ができない

床下に潜って施工する床下断熱リフォームに限りますが、床下に進入できないと工事を実施することができません。施工スタッフが床下に潜り込んで作業を行いますので、当然ながら人が入れるだけの空間が確保できることが絶対条件となってきます。

床下の高さがなくて人が入れなかったり、床下点検口が無い場合には施工を行うことができない点は注意しましょう。

また、床下配管の配置によっては、スタッフが配管に阻まれてその奥側が施工できない問題が発生します。その場合は別途床下点検口を作成するなどの対応が必要になりますので、事前の調査は必須というわけです。

2.断熱材が暖房の代わりになる訳ではない

よく勘違いされることに、「断熱リフォームをすると冷暖房を使わなくて良くなるんですよね」ということがあります。断熱材は発熱素材ではないため、断熱材を追加することで暖かくなる、という訳ではないことには注意しましょう。

断熱リフォームには、断熱材を必要な量だけ正しく施工することで家の保温力を高める効果があります

つまり、冷暖房を併用しつつ快適な室内環境を作るのが、断熱リフォームの大きな目的です。もちろん、結果として部屋は暖かく快適になりますが、前提として部屋を暖かくする暖房器具の代わりになるものではないという点を間違えないようにしましょう。

まとめ|床下断熱リフォームは無料調査から

床下断熱リフォームと一口に言っても、工法や材料はさまざまです。住宅それぞれの構造や条件に合った工法を選ばないと、工事をしたにもかかわらず期待していた効果が得られないことがあります。断熱の専門知識を持った業者に調査を依頼し、適切な提案を受けることが大切です。

また、床下への断熱材の取り付け方法には、解体を伴う工事と解体が不要な工法があります。解体を伴う場合は工期や費用が増すため、特に大規模リフォームを検討していない場合は、非破壊工法による断熱リフォームも選択肢として考えてみると良いでしょう。

さらに、補助金制度を活用することで費用負担を軽減することが可能です。工事を依頼する業者が補助金の取り扱いに詳しいかどうかも確認し、総合的な相談をすることをおすすめします。

矢崎
矢崎
断熱リフォームの匠では工事前に必ず無料断熱調査を実施しています。断熱リフォームや補助金のことなど、お気軽にご相談ください!
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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

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