床下の断熱材、厚みはどれくらい必要?調べ方を徹底解説!|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2020.01.15 / 更新日 2021.07.06

建物・暮らしの知識断熱材

床下の断熱材、厚みはどれくらい必要?調べ方を徹底解説!

WRITER

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

このページでは床下の断熱材について

「自宅の床下の断熱材は一般的な基準と比べてどれくらいの性能を持っているのだろう」「断熱材の厚みはどれくらいあるのがいいの?」

と疑問に思っている方のために

・床下の断熱材の厚みの調べ方
・調べた床下の断熱材の厚みの一般的な基準との比べ方

 
についてご紹介していきます。ここでいう基準とは国土交通省により決められている「次世代省エネ基準」のことをいいます。

床下の断熱材の厚みについて調べる方法は以下の流れになります。

・住んでいる地域の断熱材に求められる「熱抵抗値」を調べる
・床下で使われている断熱材が何なのかを調べ、1で調べた熱抵抗値を上回るにはどれくらいの厚みが必要なのかを調べる

 

これらについて詳しくご紹介していきます。(今回は「東京都」という前提で話を進めていきます)

床下断熱材に必要な「厚み」を調べるための2つの手順

手順①:住んでいる地域で必要な「熱抵抗値」を調べる

床下の断熱材に必要な厚みを求めるには、まず住んでいる地域で断熱材がどの程度の「熱抵抗値」を持っていればいいかどうかを調べます。

断熱材は素材によって熱の通しやすさが異なります。ですので断熱材の性能は

  • 断熱材の素材自体の熱の通しやすさ
  • 実際の断熱材の厚み

 
この2つで決まります。熱を通しにくい素材で厚みのあるものほど断熱材としての性能は高くなります。どの程度の断熱性能が必要かは気候に応じて1~8の地域に分けられています。

数字が若ければ若いほど寒い地域になります。北海道なら「1地域」、沖縄なら「8地域」といった具合です。ちなみに断熱リフォームの匠の対応エリアである東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城は一部の地域を除きほとんどが「5地域」または「6地域」にあたります。

もし自分が住んでいる地域を確認したい方は「省エネ 地域区分」などで調べてみてください。

断熱材に必要な厚みは、地域ごとに決められた「熱抵抗値」という値で決まります。この値は熱の伝わりにくさを表し、この値が大きくなればなるほど熱を通さない=断熱性能が高い、ということになります。寒い地域になるほど定められている熱抵抗値は大きくなります。

今回は5地域であることを想定します。5地域の木造戸建て住宅の床の熱抵抗値の基準は「2.2(㎡・K/W)」となっています。(2020年1月現在、厳密にはビルトインガレージなどの「外気に接する床」以外の場所についての基準です)。

手順②:床下断熱材の素材を調べ、①の熱抵抗値を満たすための厚みを調べる

高性能グラスウール
省エネ基準を満たすための熱抵抗値を調べた後は、自分の家の断熱材が何を使っているのかを調べます。

断熱材といっても様々な種類があります。例えば、ガラス繊維でできているグラスウール、新聞紙を加工して造っているセルローズファイバー、ウレタン樹脂からできている発泡ウレタンなどです。

また、同じ種類の断熱材でも、グラスウールなどはどれくらいの「密度」があるかにより、同じ厚みでも熱抵抗値は違ってきます。密度は16K、32Kなど「〇〇K」という表記で示されています。

どの密度だとどれくらいの厚みが必要かは、その断熱材の製造元のホームページなどで公開されています。

自分の家で具体的にどんな断熱材が使われているかを調べるには、建物の図面を使いましょう。建物の図面には部屋の間取りがわかる「平面図」だけでなく、建物を真横からみた「断面図」や、建物の断面を一緒に寸法などの詳細を載せた「矩計図(かなばかりず)」などがあります。また、「仕上げ表」は断熱材の厚みをはじめとした建物の主要な材料や工法などが記述された一覧表です。

断熱材の厚みを調べるためには「矩計図」もしくは「仕上げ表」を参考にするといいと思います。

矩計図や仕上げ表と言葉だけ聞いても、具体的にどの図面の事を言っているのかわからない、という方はこちらのページで床下に断熱材があるのか確認する方法と一緒に紹介していますので是非ご覧ください。

▼断熱材が入っているか確かめる方法【床下・小屋裏・壁】
https://www.dannetsu-takumi.com/contents/column/insulate_insite/

 

ただし、断熱材の製造メーカーまでは矩計図を見ただけでは分からないことがあります。その場合は

  1. 家を建てた工務店さんに確認する
  2. 自分で床下に潜り断熱材の製造メーカーや商品名を確認する
  3. その断熱材の大まかな「熱伝導率」を調べ、手計算で確認する

 
といった方法が考えられます。

断熱材に必要な厚みの計算方法

上の3番「その断熱材の大まかな「熱伝導率」を調べ、手計算で確認する」については「具体的にどうやって計算すればいいの?」と思われるかも知れませんのでもう少し補足しておきます。

熱伝導率とは、断熱材自体の熱の通しやすさを表す数値です。この数字が小さくなるほど熱を通しにくい素材になります。

例えば、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)ならば0.045程度、24Kの高性能グラスウールならば0.036程度です。こういった大まかな目安はJISにより決められています。

次に必要な厚みですが、以下の式で求められます。

必要な断熱材の厚み(mm) = 基準となる熱抵抗値 × 断熱材の熱伝導率 × 1000

 
この計算で出した数字を実際の断熱材の厚みが上回っていれば基準を満たしている事になります。具体的な例を挙げてみましょう。

断熱リフォームの匠では24Kの高性能グラスウールを採用しています。
この断熱材の熱伝導率は0.036です。

先ほどの東京都の2.2を当てはめてみましょう。2.2×0.036×1000=79.2(mm)となります。この厚みを上回る断熱材であれば次世代省エネ基準を満たしていることになります。

断熱リフォームの匠で使用する高性能グラスウールの厚さは80mmありますので、しっかりと基準をクリアしています。

断熱リフォームの匠では今回ご紹介した断熱調査を無料で実施します!


床下の断熱材の厚みやその性能は、基本的にはここまでご紹介してきた方法で調べることができます。しかし、もし実際の施工はどうなっているのかについての不安をなくしたいのであれば床下に進入しての調査を行うのもいいと思います。

とはいえここまでのご説明を見ていただいた方の中には「やはり自分で調べるのはちょっと難しそうだし手間もかかりそう・・・」「専門家に見てもらった方が無難でいいかもしれない」と思われた方もいるかと思います。

そんな方にご提案したいのが「断熱リフォームの匠の無料断熱診断」です。
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などを実施しています。もし自宅の断熱材がどうなっているのか、興味を持っていただけた方は是非ご相談いただければと思います。その他にも分からない点があったら何でもお気軽にご相談ください。皆様からのご連絡、お待ちしています。