住宅の断熱材について知りたい人向け!種類・特徴などを解説|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2021.03.09 / 更新日 2024.12.10
断熱材
住宅の断熱材について知りたい人向け!種類・特徴などを解説
WRITER
WRITER
廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士
地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
このような方のためにこのページでは
住宅に使われる断熱材の種類、特徴、役割などについて詳しくご紹介していきます。
そもそも住宅に断熱材が使われる理由
そもそもどうして住宅に断熱材を使う必要があるのでしょうか。
断熱材には
- 夏の「暑い」、冬の「寒い」を防ぐ
- 冷暖房の光熱費を抑える
などの効果があります。
もし断熱材がないと
- 暖房をつけても足元が寒い
- 冷房をつけても天井が暑い
- 冬に朝起きたら体が寒い
- エアコンの光熱費がとても高い
といった事が起こります。
「要はちょっと寒かったり暑かったりするだけじゃないの?」
と思うかもしれませんが、油断は禁物です。なぜなら寒さが原因で
- 血圧上昇
- 心血管疾患
- 心疾患
などのリスクが上がる事がわかっているからです。
断熱材は快適な暮らしを実現する上で欠かせない存在なのです。
断熱材の役割についてはこちらのページでも詳しくご紹介していますので是非ご覧ください。
▼断熱材の「役割」とは?働きを正しく理解しよう
https://www.dannetsu-takumi.com/contents/column/dannetsu_roll/
住宅によく使われる断熱材の性能を比較
住宅によく使われる断熱材として、
- グラスウール
- 現場発泡ウレタンフォーム
- 押出法ポリスチレンフォーム
- セルローズファイバー
などが挙げられます。
それぞれの断熱材は、素材になっている原料、価格、施工のしやすさなどでメリットとデメリットが変わってきます。
- グラスウール
-
グラスウールは、ガラス繊維を原料にして作られる綿状の繊維系断熱材です。
最も安価で、建物の断熱材としては非常にメジャーで、色々な場所に使用されています。
グラスウールは原料となるガラス繊維の太さが細いほど、より性能が上がり、重たくなります。一般的なグラスウールのことを10k(1m₃で10kgであることを表します)、それよりも性能のいいグラスウールは「高性能グラスウール」と区別されます。
- 現場発泡ウレタンフォーム
-
現場発泡ウレタンフォームは、施工現場で原材料を混ぜ合わせて作る断熱材です。成分の「発泡」を現地で行うのが特徴です。
気密性に優れていて、断熱欠損が起こりにくいというメリットがあります。 - 押出法ポリスチレンフォーム
-
発泡ポリスチレンフォームや現場発泡ウレタンフォームよりも、より硬質な断熱材です。
畳の素材として使われることもあります。 - セルローズファイバー
-
古新聞紙を再利用して作られた繊維状の断熱材です。耐火性能や防音性能など、様々な付加価値を持っています。
それぞれの断熱材の性能を「熱伝導率」という具体的な数値で比較してみましょう。
断熱材 |
熱伝導率 |
---|---|
グラスウール10K |
0.050 |
セルローズファイバー |
0.038 |
高性能グラスウール |
0.036 |
押出法ポリスチレンフォーム |
0.028 |
現場発泡ウレタンフォーム |
0.026 |
断熱材単体で見た時の性能は、この数値が少なければ少ないほど高いということになります。しかし、実際の施工ではいずれの断熱材も国が定めている「基準となる水準」に到達させるように施工を行いますので、実際の住宅の断熱材の性能には大きな影響がありません。
ちなみにDANREIでは「リフォームにおける実用性」という考え方から、セルローズファイバーと高性能グラスウールを採用しています。
住宅で断熱材が使われる部位
断熱材は建物の「見えない場所」で使われる建材ですので、普段の生活で直接目にする事はありません。では、いったいどこに使われているのでしょうか。
- 天井
- 床
- 壁
- 基礎
- 外壁
などが挙げられます。
- 天井の上
-
天井の上に断熱材を使うと、建物が特に夏の暑さに対して強くなり、2階の暑さを防いで冷房が効果的に使えるようになります。
天井上の断熱材には、屋根の裏側(野地板や垂木など)に吹き付ける現場発泡ウレタンや、セルローズファイバー、グラスウールなどが使われます。 - 壁の中
-
壁の中に断熱材を使う事で、建物が暑さや寒さの影響を受けにくくなります。壁の中の断熱材には、現場発泡ウレタンフォーム、グラスウールなどが使われます。
- 床の裏側
-
床下に断熱材を使うことで建物が冬の寒さに強くなり、足元の冷えを改善、暖房が効果的に使えるといった効果が得られます。床の断熱材にはグラスウールや押出法ポリスチレンフォームなどが使われます。
- 基礎の立ち上がり
-
基礎の立ち上がりに断熱材を貼り付ける場合があります。基礎の立ち上がりの内側に設置するときは「内基礎断熱」、外側に設置するときは「外基礎断熱」と呼ばれます。基礎の立ち上がりの断熱材には押出法ポリスチレンフォームがよく使われます。 - 外壁の外側
- 外壁の構造材よりも外側に断熱材を設置して建物全体を断熱材で覆う方法があります。このような方法で断熱材を設置することを「外張り工法」といいます。外張り工法の断熱材には押出法ポリスチレンフォームがよく使われます。
また、同じ部位に使われる断熱材にも色々な種類がありますが、どの断熱材を使うのかは工務店やハウスメーカーで異なります。
取引のある断熱材の会社もそれぞれ異なりますし、施工の仕様も大きく異なります。
ですので、「ここで家を建ててもらおう」と決めたのであれば、建物に使う断熱材は自ずと決まってきます。1つの会社が色々な種類の断熱材を取り扱うという事は余りありません。
もし自分が「この断熱材を使いたい」というものがあるのであれば、事前に工務店やハウスメーカーに確認をしておきましょう。
日本の住宅は断熱材が貧弱
現在の日本の住宅は総じて断熱性能が低いと言われています。
総務省の調査では日本の住宅約5000万戸のうち、昭和55年の省エネ基準よりも前の家に住んでいる人が全体の7割程度である事がわかっています。
この事が、家の中で寒さや暑さを感じやすい人が多い大きな原因となっています。
もし新築で住宅を購入する場合は断熱性能を重視することをおすすめします。また、既存住宅の断熱材についても「リフォーム」での改修が可能です。詳しくはこの後ご紹介します。
住宅の断熱材はリフォームで改修できる
既存住宅の断熱材であってもリフォームにより断熱材を改修する事ができます。
断熱材をリフォームする際のアプローチは2つあります。
1つは他の大規模なリフォームと同時に行う方法、もう1つは断熱材の改修だけを目的としたリフォームを行う方法です。
前者はクロスや床の張り替えなどを考えている時に一緒に断熱材も張り替えようという考え方です。断熱材の改修を怠ってしまうと、せっかくリフォームをしても「内装は新しくなったけど建物は寒い・・・」という状態になってしまうので忘れずに行うようにしましょう。
後者は「建物の暑さ、寒さに関する問題だけを解決したい」という人におすすめです。なぜなら、「非破壊工法」と呼ばれる方法で断熱改修を行えばコストと工期を大幅に抑える事ができるからです。
まとめ
今回は住宅に使われる断熱材について、種類、特徴、役割などをご紹介してきました。
住宅にとって断熱材は非常に大切な存在です。家を建てるときは「しっかりと断熱材の施工にも力を入れているか」を調べることをおすすめします。
また、既存住宅であってもリフォームによって断熱材の改修を行えば普段感じているような「暑さ・寒さ」の問題を解決できます。
断熱リフォームの匠では「非破壊工法」による断熱材の改修に特化したリフォームを行っています。
こちらのページでも詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください!
もし何か気になる事がありましたら下のボタンからお気軽にお問合せください!皆様からのご相談、心よりお待ちしています。
首都圏で年間200棟の施工実績
業界初の10年間工事品質保証
補助金・助成金の申請も代行
窓・床下・天井を壊さず断熱
1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
トップページへ
断熱リフォームの匠が選ばれる理由
価格・プラン
お客様の声・施工事例
断熱無料調査についての詳細
断熱無料調査のお申し込み