【※終了しました】断熱改修をお得に!「こどもエコすまい支援事業」を徹底解説【2023年版】|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2022.01.28 / 更新日 2024.06.14
補助金・減税・節約
【※終了しました】断熱改修をお得に!「こどもエコすまい支援事業」を徹底解説【2023年版】
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廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士
地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
こんにちは、断熱リフォームの匠の廣澤です。今回は、2023年からスタートしたこどもエコすまい支援事業を住宅の断熱リフォームで活用する方法を解説いたします。
昨年の「こどもみらい住宅支援事業」とほぼ同じ仕組みの制度ですが、受け取れる金額や受け取り条件が少し改善されています。やはり交付を受ける条件を満たしやすく、とても使い勝手の良い仕組みなので積極的に活用したいところです。
子育てエコホーム支援事業について|断熱リフォームの匠
目次
「こどもエコすまい支援事業」制度の概要
対象となる世帯
こどもエコすまい支援事業(以下:「こどもエコすまい」)はその名称の通り、こどもが居る世帯への支援を目的として、新築住宅の購入や注文の支援を行う制度です。
名称からは子供がいない家庭や子供が独り立ちした家庭には関係がない制度のように感じられますが、実はそうではありません。
子供がいない世帯でも一定のリフォーム工事を行えば補助金の対象になります。
「うちは、もう子供が巣立ったから」という方も利用できる制度なのでどんどん活用を考えましょう。
対象となる住宅
- 自身が所有する自宅
- 自己所有のアパート・別荘
- 賃借している自宅・アパート・別荘など
の断熱リフォームが対象となります。
地方自治体の補助制度は対象住宅が自宅のみであるケースがほとんどであることを考えると、対象者はかなり幅広いと思います。
そういえば《断熱リフォームの匠》で以前「別荘が冬だと寒くて過ごせないから改修したい」というお問い合せを頂いたことがありました。
そのような場合でも「こどもエコすまい」は補助金を活用できるわけですね。
ちなみに当然ですが、賃貸物件の場合は補助金が受け取れるからといって勝手に断熱リフォームをするわけにはいきません。
必ず管理会社や大家さんに相談をして、承諾を得てから実施するようにしてくださいね。
対象のリフォーム工事
- 床の断熱リフォーム
- 天井の断熱リフォーム
- 窓の断熱リフォーム
- 玄関ドアの断熱リフォーム
- 壁の断熱リフォーム
といった工事が「こどもエコすまい」の対象となります。こうして見ると住宅のほとんど全ての部位の改修工事に活用できることが分かりますね。
(※詳細は割愛しますが、「先進的窓リノベ事業」という窓だけが補助の対象となる制度があります。併用が可能でちょうどお互いを補う関係にある制度と言えるでしょう)
これらの断熱リフォームの規模に応じて、一定の金額が受け取れるようになっています。
「こどもエコすまい」で受け取れる補助金額
ここからは「実際のところ、どれくらい補助金がもらえるのか?」について簡単な一例を用いながら解説していきます。
受け取れる補助金の上限
受け取れる補助金の上限は基本的には30万円です。
これがもし申請者が、
- 子育て世代(18歳以下の子供がいる家庭)
- 若者夫婦世帯(45歳以下)
であった場合、補助金の上限額は45万円に引き上げられます。(※自ら居住する住宅のみ)
やはりメインの目的は子育て世帯への支援であることが感じ取れますね。
床
床の断熱リフォームでは断熱材をどれくらい使用したかで金額が分かれます。
「こどもエコすまい」の規定では断熱材3.0㎥(立方メートル)以上の使用で、69,000円が受け取れることになっていますが・・・
ちょっとイメージがつきにくいですね。
《断熱リフォームの匠》の工事を例に考えてみましょう。
1階の床面積がおおむね40~45㎡の住宅であれば、一律で69,000円が受け取れる計算になります。
また断熱材の使用量が6.0㎥以上になった場合、1階の床面積がおおむね80㎡以上の住宅ですと、貰える金額がアップして一律で92,000円となります。
天井
床下同様、天井の断熱リフォームも断熱材の使用量で補助金額が決まります。こちらも《断熱リフォームの匠》で施工した場合で考えてみましょう。
まず、施工面積30㎡以上で40,000円の補助がもらえる見込みになります。
これが施工面積60㎡を超えた場合、受け取れる額は54,000円になります。
施工面積が一定以上になると補助金額がアップするのは床下と同様ですね。
壁
壁もやはり断熱材の使用量が条件となっており、6.0㎥以上の断熱材の使用で112,000円の補助が見込まれます。
やはり分かりにくいと思いますので、まずは壁の面積に置き換えて考えてみましょう。
暑さ100mmで断熱材を詰め込むと想定した場合、改修する必要がある壁の面積は60㎡です。
さらに長さに置き換えて考えます。
壁の高さ(床から天井まで)を2.4mと仮定すれば、横幅をおおむね25mにわたって改修できればOKということになります。
たとえばリビングダイニングの壁をぐるっと断熱リフォームすれば、おおよそ条件を満たすのではないでしょうか。
開口部(窓・ドア)
開口部とは「開け閉めができて外と通じている部分」を指し、具体的には窓やドアが当てはまります。
開口部の断熱改修は1ヶ所ごとにもらえる補助が細かく設定されており、
- 改修の方法
- 開口部の大きさ(縦×横)
- 改修後の断熱性能のレベル
という3つの要素で金額が決まります。
- ①改修の方法
-
「内窓の設置」
「窓自体の交換」
「ガラス交換」といった方法を選ぶことになります。
- ②開口部の大きさ(縦×横)
-
サイズが「大・中・小」の3つに区分されており具体的な数値は、- 大:2.8㎡以上
- 中:1.6㎡以上
- 小:0.2㎡以上
となります。(※ガラス交換の場合はサイズ基準が異なります)たとえばリビングの掃き出し窓であれば横1.5m以上、縦2m以上のものが多いですから、大サイズになります。
また、トイレの窓のような30cm×40cm程の小さい窓は面積が0.12㎡しかないので小サイズにも当てはまらず、補助の対象から除外されます。
- ③断熱性能のレベル
-
断熱性能の高い製品ほど補助額は大きくなります。
「こどもエコすまい」は住宅の省エネ化促進が狙いですので、より断熱性能が高くなる改修を優遇するのも自然な流れだと言えるでしょう。
ここで重要なのはどんな工事でどれくらいの費用がかかり、どれくらいの補助が見込まれるかです。
リフォーム業者に見積もりを取る際は、補助金をどれくらい受け取れる見込みなのかを聞いてみましょう。
しっかり制度について把握している業者であれば、見積り書と一緒に補助金の見込み金額も算出してくれるはずです。
「補助金というフレーズを伝えただけで渋い顔をされてしまって、そこの会社には工事をお願いしなかった」というご相談を頂いたこともあるほどです。
補助金をちゃんと取り扱える会社を探すことが重要ですね。
申請金額の最低基準
「こどもエコすまい」では交付額が50,000円以上になるようにリフォーム工事を実施しなければなりません。
たとえば床下断熱のリフォームをすれば交付見込み額が69,000円であるため、申請の条件を満たします。
一方天井断熱だけだと交付見込み額が40,000円なので、単体では申請の条件を満たすことができません。
交付の予定額が50,000円を超えるよう、断熱リフォームの規模や範囲を考えることをおすすめします。
「こどもエコすまい」申請について
申請者がすること
実は「こどもエコすまい」では申請者はほとんど何もする必要がなく、工事が終われば後は補助金が振り込まれるのを待つだけとなります。リフォーム業者が申請手続きするように規定されているからです。
住民の方にはとてもありがたい仕組みだと思います。
ただ、必要書類(身分証明書のコピー等)を業者に渡す必要はありますので何を用意すればいいかは事前に確認しておきましょう。
補助金を受け取れるタイミング
補助金は申請してすぐに振り込まれると言うわけではありません。
補助金はリフォーム業者に一旦振り込まれ、そこから指定の口座に入金されるという2段階入金となっています。
そのため、最終的に補助金を受け取るまでには工事が終わってから2~3ヶ月程度はかかることになります。
気長に待つ必要がありそうですね。
リフォーム業者に絶対確認すべきこと
「こどもエコすまい」の事務局に事業者登録をしていないリフォーム業者や工事店は補助金申請の資格がそもそもありません。
検討している業者が事業者登録をしているか、担当者に必ず確認しましょう。
安心して任せられる会社かどうかを判断するポイントとして、年間にどのくらいの申請業務を取り扱っているか聞いてみるのがおすすめです。
補助金の申請に精通している業者であれば、「その規模の工事だと補助金が受け取れなくなってしまいますので、ココをこうしましょう」といったアドバイスも一緒にしてくれるはずです。
補助金受け取り後の注意点
補助金を活用して断熱材や内窓などを設置した場合、10年間の「善管注意義務」が発生します。
簡単に言うと、「せっかく補助金を出したのだから省エネに役立ててからでないと処分してはいけないよ」ということです。
取り付けから10年経たずに断熱材など処分をする場合、つまり家を処分・解体する必要が出たとしても、事前に承認を得る必要があります。
もし承認を受けることなく処分した場合、補助金の返還を求められることがあるそうです。
補助金も原資は税金ですから、無駄遣いと判断されれば当然だと思います。
あまり無い事例だとは思いますが、10年より長く住む予定がない住宅では、事前にそういった点も考慮した方がいいでしょう。
「こどもエコすまい」と併用できる補助金
「こどもエコすまい」は幅広いリフォームで活用できるものの、リフォーム工事の規模を考えれば還元率がやや低めであることは否めません。
そこでぜひとも考えたいのが、「補助金の併用」です。それぞれの特徴を理解して組み合わせることで、よりお得に断熱リフォームを実施できます。
先進的窓リノベ事業
2023年に始動する国の補助制度で革新的なのが「こどもエコすまい」と同時にスタートする「先進的窓リノベ事業(以下:窓リノベ)」です。
名前のとおり窓の断熱化に特化した事業で、「こどもエコすまい」と違いドアは対象外です。
対象となる工事が限られている一方、受け取れる補助金は「こどもエコすまい」と比べて2~3倍以上と非常に高額なのが特徴です。
全体的にかなり優遇された制度と言えるでしょう。
「窓リノベ」の詳しい解説はこちらに掲載しましたので、合わせて読んでいただければと思います。
給湯省エネ事業
高効率で省エネに役立つ給湯器などを新たに設置した場合に補助金が出ます。
エネファームやエコキュートといった省エネ型の給湯器の設置の際にはぜひ活用したいところですね。
一般的に給湯設備の寿命は10年~15年ほどと言われています。
設備の老朽化が進んでいた場合には、この機会に交換を考えても良さそうですね。
地方自治体の補助金
多くの都道府県や市区町村では、独自の補助金を出して省エネ化を後押ししていますので、お住まいの地域で活用ができる補助金がないかも調べてみましょう。
「都道府県名 断熱 補助金」や「市町村名 省エネ 補助金」でweb検索をしてみると、自分がお住まいの地域でどのような補助制度が実施されているか分かると思います。
注意点として、地元の業者で工事をすることが申請条件に含まれていることもしばしばです。地域振興としての側面もあるのでしょう。
業者の規模によっては施工部位ごとに担当を分ける必要も出てくると思います。
いずれにしても、自分たちの取り扱う商品にどのような補助金が活用できるかちゃんと知っていて、しっかり相談に乗ってくれる業者を探すようにしましょう。
まとめ
今回は、こどもエコすまい支援事業について断熱リフォームで活用できるポイントについて解説していきました。
幅広い種類の断熱リフォームに活用ができるため、住宅の寒い・暑いを解決したい、結露を防止するリフォーム工事をしたいという場合には、ぜひとも有効に使っていきたい制度になります。
また、費用対効果を高めるためには、「こどもエコすまい」以外に活用できる補助金を探すことも重要ですので、損をすることがないよう、しっかりと業者選びには時間をかけることをお勧めします。
《断熱リフォームの匠》では、無料の断熱調査を通じて、どのような工事が住宅の断熱化に効果的か、また補助金がどれくらい受け取れるかも計算をしてご提示をしております。
この機会に、住宅の断熱改修を実施し、快適な住まいを実現してはいかがでしょうか?
子育てエコホーム支援事業について|断熱リフォームの匠
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