子育てエコホーム支援事業|断熱リフォーム補助金はいくら?活用法を解説|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2023.12.19 / 更新日 2024.07.23
補助金・減税・節約
子育てエコホーム支援事業|断熱リフォーム補助金はいくら?活用法を解説
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矢崎 拓也
環境省認定うちエコ診断士
大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。
この記事では住宅省エネ2024年キャンペーンの1つ、質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(子育てエコホーム支援事業)を断熱リフォームで活用する方法をご紹介します。この補助金は条件を満たしやすいため、ぜひ積極的に活用していきましょう。
子育てエコホーム支援事業とは
子育てエコホーム支援事業は、エネルギー価格の高騰などに影響を受けやすい子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、高い省エネ性能を備えた新築住宅の購入や既存住宅の省エネリフォームを支援するものです。当記事では、その中でもリフォームに焦点をあてて解説をしていきます。
交付申請期間 | 2024年4月2日~予算上限に達するまで (遅くとも2024年12月31日まで) |
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対象となる住宅 | 住宅 (人の居住の用に供する家屋) |
補助対象 | ●住宅の省エネ改修 1.開口部の断熱改修 2.外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 3.エコ住宅設備の設置 ●1〜3を実施したら対象となるもの 4.子育て対応改修 5.防災性向上改修 6.バリアフリー改修 7.空気清浄機機能・換気機能付きエアコンの設置 8.リフォーム瑕疵保険等への加入 |
上限額 | ・子育て世帯・若者夫婦世帯:上限30万円 ・その他の世帯: 上限20万円 |
補助金の対象となる住宅
対象となる建物は、自身が所有する自宅、自己所有のアパート・別荘などです。地方自治体の補助制度は対象住宅が自宅のみであるケースがほとんどであることを考えると、対象者はかなり幅広いですね。
- 戸建住宅
- 集合住宅
- 別荘 など
また、子育て世帯でなくても当補助金の対象となります。子どもがいなかったり、すでに独り立ちしている世帯でも条件さえ満たせば申請可能です。(ただし子育て世帯は補助上限が優遇されます)
着工は2023年11月2日以降
2023年に補助を受けた住宅も支援の対象
例えば、「2023年に窓の工事をしたから今年は床の断熱材を変えたい」という方はぜひ補助金を活用しましょう。
対象となるリフォーム工事
補助の必須対象となる工事は以下1~3の住宅の省エネ改修工事です。これら3つの中のリフォームであれば、いずれかを施工すれば対象となります。
1.開口部の断熱リフォーム | ・ガラス交換 ・内窓の設置 ・外窓交換 ・ドア交換 |
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2.断熱材による断熱リフォーム | ・床(床下)の断熱材設置・追加 ・天井(屋根裏)の断熱材設置・追加 ・壁の断熱材設置・追加 |
3.エコ住宅設備の設置 | ・太陽熱利用システム ・節水型トイレ ・高断熱浴槽 ・高効率給湯器 ・蓄電池 など |
必須工事と同時に行えば対象となるもの
また、上記必須となる3項目のうちいずれかと同時に行うことで補助対象となる工事があります。
5.防災性向上改修
6.バリアフリー改修
7.空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
8.リフォーム瑕疵保険等への加入
受け取れる補助金額の上限
上限額 | ・子育て世帯・若者夫婦世帯:上限30万円 ・その他の世帯: 上限20万円 |
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子育て世帯とは18歳未満の子供がいる世帯のことです。若者夫婦世帯は夫婦のいずれかが39歳以下の世帯のことを言います。長期優良化リフォームを行う場合は、子育て世帯・若者夫婦世帯が上限45万円、その他の世帯が上限30万円へと引き上げられます。
申請金額の最低基準は5万円
子育てエコホーム支援事業では交付額が50,000円以上になるようにリフォーム工事を実施しなければなりません。たとえば床下の断熱改修をすれば交付見込み額が72,000円となり、申請の条件を満たします。
補助金額のシミュレーション
では、実際の断熱リフォームでどれくらいの額の補助金が受け取れるのか、家の部位ごとに計算してみましょう。まずは床、天井、壁の断熱リフォームを行った場合です。
床(床下)の断熱リフォームの補助額
床面はリフォームに使用した断熱材の量で受け取れる補助金額が変わります。断熱材3.0㎥以上の使用したリフォームを行えば72,000円の補助金が受け取れることになっています。
面積と紐づけて考えてみましょう。1階の床面積がおおむね40~45㎡の住宅であれば、一律で72,000円が受け取れる計算です。また断熱材の使用量が6.0㎥以上だと補助額は96,000円となりますが、1階の床面積がおおむね80㎡以上の住宅が目安となります。
約40㎡〜:72,000円
約80㎡〜:96,000円
天井(屋根裏)の断熱リフォームの補助額
天井についても床と同様に面積で考えてみましょう。施工面積30㎡以上で40,000円、60㎡を超えた場合は54,000円の補助金が見込めます。
約30㎡〜:40,000円
約60㎡〜:54,000円
壁の断熱リフォームの補助額
壁は6.0㎥以上の断熱材の使用で112,000円の補助が見込まれます。壁の中に厚さ100mmで断熱材を詰め込むと想定した場合に改修する必要がある面積は60㎡ですが、壁の高さ(床から天井まで)を2.4mと仮定すれば横幅はおおむね25mです。
リビングダイニングの壁をぐるっと断熱リフォームするぐらいが条件を満たす目安になりますね。
開口部(窓・ドア)の断熱リフォームの補助額
開口部の断熱改修は1か所ごとにもらえる補助が細かく設定されており、改修の方法、開口部の面積、改修後の断熱性能レベルという3つの要素で金額が決まります。
改修の方法は、ガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換のどれかです。開口部の面積については、おおきさに応じてサイズが大・中・小に区分され、補助額が変わってきます。たとえば内窓を設置する場合は下記のとおりです。
- 大:2.8㎡以上
- 中:1.6㎡以上〜2.8㎡未満
- 小:0.2㎡以上〜1.6㎡未満
たとえばリビングの掃き出し窓であれば横1.5m以上、縦2m以上はあるでしょうから大サイズです。一方、トイレの窓は30cm×40cm程で、面積は0.12㎡しかありません。小サイズにも当てはまらないので補助の対象外となります。
窓の性能については、改修後に断熱性能が高くなる製品ほど受け取れる補助額も大きくなります。ただ、費用や補助額と得られる効果とのバランスは大切にしなければなりません。
内窓プラン|断熱リフォームの匠
2階夏の快適断熱プラン|断熱リフォームの匠
1階あったか断熱プラン|断熱リフォームの匠
断熱リフォームの匠(フル)プラン|断熱リフォームの匠
申請のながれ
ここまで子育てエコホーム支援事業の概要や補助金額について解説しましたが、実際に補助を受けるための流れはどういったものなのでしょうか。ここからは、申請の流れについて解説します。
申請者はほぼ何もしなくていい
子育てエコホーム支援事業における申請の手続きは、ほぼリフォーム業者が行うように規定されています。申請者はほとんど何もする必要がなく、工事後は補助金が振り込まれるのを待っていればOKです。ただし、いくつかの書類を業者に渡す必要はありますので、何を用意すればいいかは事前に確認しておきましょう。
子育て世帯または若者夫婦世帯に該当し、補助額上限の引き上げを受ける場合
本人確認書類 | ・家族構成が確認できる住民票(世帯票)等 |
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補助額上限の引き上げを受けない場合
本人確認書類 | ・住民票 ・マイナンバーカード ・運転免許証 ・健康保険証 ・パスポート 等 |
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補助金を受け取れるのは施工から2〜3か月後
補助金は申請すればすぐに振り込まれるわけではなく、リフォーム業者に一旦振り込まれた後に指定の口座に入金される2段階入金となっています。
施工完了から補助金を受け取るまでにはおおよそ2~3か月程度かかりますので、気長に待ちましょう。
リフォーム業者には事業者登録を必ず確認
子育てエコホーム支援事業の補助金を申請できる資格があるのは事務局に事業者登録をしている業者のみです。事業者登録をしているかは担当に必ず確認しましょう。
安心して任せられる会社かどうかを判断するポイントとして、年間にどのくらいの申請業務を取り扱っているか聞いてみるのがオススメです。
補助金の申請に精通している良心的な業者であれば、具体的な見込み補助金額の提示やニーズに合った施工の提案をしてくれると思います。
施工後は10年間の「善管注意義務」が発生
補助金を活用した場合、10年間の善管注意義務が発生します。要は「補助金を出したのだからきちんと使ってくださいね」ということです。もし10年以内に解体や建て替えを理由に断熱材を処分する場合は、事前に承認を得る必要があります。
勝手に捨ててしまうと補助金の返還を求められる恐れがありますので注意しましょう。
子育てエコホームと併用できる補助金
前述した通り、子育てエコホーム支援事業では窓や給湯器の補助金を活用した場合、補助金の必須条件である「省エネ改修」を満たせます。住宅の幅広いリフォームで事業を活用できるようになったと言えるでしょう。ここからは、当補助事業と併用できる補助金をご紹介します。
先進的窓リノベ事業
子育てエコホーム支援事業が幅広いリフォームに対応した補助金だったのに対し、先進的窓リノベ事業は窓リフォームに特化した補助事業です。子育てエコホーム支援事業でも窓リフォームは補助の対象ですが、先進的窓リノベと併用する場合は、同一の工事を両方の補助金に申請することはできません。
先進的窓リノベ事業の補助は子育てエコホーム支援事業の補助よりも補助率が高いため、例えば、内窓リフォームは先進的窓リノベ事業で、床断熱などの断熱リフォームは子育てエコホーム支援事業で申請するのが効率的な活用法です。
国の補助金その他
給湯省エネ事業
エネファームやエコキュートといった高効率で省エネに役立つ給湯器を新たに設置した場合の補助金です。子育てエコホーム支援事業の対象工事とかぶる部分がありますが、同一工事を併用することはできません。
賃貸集合給湯省エネ事業
2024年から新たに設立された集合住宅向けの給湯器の取り替えに対して補助金を支給する事業です。一般的に給湯設備の寿命は10年~15年ほどといわれています。設備の老朽化が進んでいるようでしたら、この機会に交換を考えても良さそうですね。
地方自治体の補助金
多くの都道府県や市区町村では、独自の補助金を出して省エネ化を後押ししています。住まいの地域独自の補助金がないかも調べてみましょう。「都道府県名 断熱 補助金」や「市町村名 省エネ 補助金」でweb検索してみるのがオススメです。
ただし、地方自治体の補助金は地元の業者で工事をすることが申請の条件であることが多いことには注意しましょう。業者の規模によっては施工部位で担当を分ける必要があるかも知れませんね。
さいごに
今回は、子育てエコホーム支援事業について断熱リフォームで活用できるポイントについて解説していきました。住宅の寒さや暑さを改善したいとお考えの方にとってはぜひ活用していきたい制度です。
断熱リフォームの匠では無料断熱調査を通じて、住宅の断熱化に効果的な改修方法を補助金も踏まえてご提案させていただいております。この機会に快適な住まいを実現してみてはいかがでしょうか?
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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
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