リフォーム済なのに家が寒い!?暖かいすまいに必要なものとは|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2023.11.17
断熱リフォーム
リフォーム済なのに家が寒い!?暖かいすまいに必要なものとは
WRITER
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矢崎 拓也
環境省認定うちエコ診断士
大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。
こんにちは。《断熱リフォームの匠》の矢崎です。
今回は「リフォームしたのに家が寒い」という現象について原因や対策などをお話ししていこうと思います。
内装はキレイでも床下をのぞくと・・・
まず考えられる原因として「断熱性能の不足」があります。
「リフォーム済の中古住宅を購入したが冬になると床が寒くて絶えられない」というご相談は時折いただくことがありますが、そんなお家の多くは床下を断熱診断してみると断熱材がほとんど意味をなしていない状態です。
床下や天井がどうなっているのかは内装や設備と異なり、その場で確かめることができません。
また、寒さや暑さはその時期にならないと分かりませんので、どうしても気づくのが遅くなりがちなのです。
寒さ対策済みなのにまだ家が寒い理由
もしこんな状態だとすれば、いくつかの原因が考えられます。
断熱材の施工不良
もしちゃんと高性能な断熱材を施工したはずなのに家が寒い・・・という場合、まず考えられるのが気流止めの施工不良です。
気流とは建物を通り抜ける空気のことで、断熱では気流をせきとめる作業が非常に重要です。
もし気流が止められていないと外の寒い風が絶えず建物を流れ続け、隙間風や室温低下の原因となってしまいます。
しかし断熱診断で床下を調査してみるとこれが施工されていないことが意外と多いです。
もう1つ考えられる可能性としては断熱欠損です。
断熱材は隙間なく施工することがとても大切で、1箇所でも施工ができていない箇所があるとそこから熱が漏れ出してしまうことになります。
また断熱材の固定が甘いと施工直後は問題がなくても時間が経てば落下して、気づいたら欠損で家が寒い状態に・・・となっている可能性も考えられます。
もし断熱材の改修も含めたリフォームを行ったのに寒さが改善されないようでしたら一度施工を行った業者に確認をしてもらうべきでしょう。
内窓をつけたのに床が寒いまま?
実は最近増えてきているご相談に「内窓を付けたけどまだ床が寒いから一度見てもらいたい」というものがあります。
窓は多くの熱が逃げていく場所であることや補助金が充実していることから注目が集まるようになりました。
しかし断熱改修は建物全体で行うことでより効果を発揮します。
もし内窓を取り付けてまだ寒さが気になるようでしたら、床下の断熱改修が解決の糸口になるかも知れません。反対に、断熱材がちゃんと入っているのにまだ寒い時は室内の窓の性能を見直してみるといいと思います。
また、天井の断熱性能を上げると室内の暖かい空気が小屋裏に逃げていかなくなるので更に暖かさや保温の良さを実感できることでしょう。
各部位の性能を満遍なく上げることでお部屋はグンと暖かくなります。
断熱改修はリフォーム後でも行える?
断熱材を改修する方法は大きく2通りあり、床や天井を壊して入れる方法と作業スタッフが床下や小屋裏で充填作業を行う方法(非破壊工法)です。
もし「新しい内装を壊して工事をするのはちょっと・・・」という場合は非破壊工法による断熱材の改修がおすすめです。
非破壊工法は断熱リフォームにのみ特化した工事で、最短で1日、施工にかかる費用も一般的なリフォームに比べて大幅に抑えることができます。
非破壊工法で施工いただいた方々からは「寒さが大きく改善された」というお声を多くいただいており、十分に暖かさを実感できる工法であることは間違いないと言えるでしょう。
ただし非破壊工法では壁の断熱改修は不可能ですし、壁や床を一度取り外してのフルリフォームと比較するとどうしても期待できる性能は控えめとなります。
もしより完璧な断熱性能を求めるのであれば、やはりより高額な費用をかけて行う大規模リフォームがおすすめです。
さいごに
今回はリフォーム後の住宅の寒さの原因についてお話ししてきました。
寒さは目に見えて分かるものではありませんが、快適な暮らしを実現する上では欠かせない大切な要因です。
もし現状に問題を感じておられるようでしたらこの機会にぜひ解決の糸口を探してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。