洗面所が寒い!発生するリスクや対策についてご紹介|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2020.08.21 / 更新日 2021.07.02
寒さ・暑さ対策
洗面所が寒い!発生するリスクや対策についてご紹介
WRITER
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矢崎 拓也
環境省認定うちエコ診断士
大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。
このように思ったことはありませんか?
洗面所は歯を磨いたり顔を洗ったり掃除をしたりと、洗面所に行かずに生活することは、とても難しいです。
その洗面所が寒いととても憂鬱になりますよね。
「寒いのなんて我慢すればいい」と思われる方もいるかも知れませんが、実は寒さは私たちの体に想像以上の負担をかけています。
このコラムでは、洗面所のつらい寒さについて
- 洗面所が寒いと発生する危険
- 洗面所の寒さ対策
といったテーマでご紹介していきます。
洗面所が寒いと発生する危険
暖かいリビングから寒い洗面所に行き、暖かいお風呂に入る。
一見問題がないような当たり前の行動ですが、もしかしたら心臓に負担をかけているかもしれません。
暖かいリビングから寒い洗面所に移動すると、血管が収縮し血圧が上がります。そして、寒い洗面所から暖かい湯舟に入ると、今度は血管が拡張して血圧が下がります。
温度に合わせておこる急激な血圧の変化は、心臓に負担をかけ心筋梗塞など心疾患の原因になります。血圧の急激な変化で心疾患が起こることをヒートショックといいます。
部屋の中の温度差は、「寒い」や「暑い」という不快感だけではなく、病気の原因にもなるのです。リビング、洗面所、浴室の温度差をできるだけなくし、血圧の急激な変化を防ぐことが大切です。
洗面所の寒さ対策
ここまで、洗面所が寒いとどのようなリスクがあるかについてお話してきましたが、ここからは
- 洗面所と生活空間との温度差を無くす方法
- 洗面所を暖かくする方法
について
- 暖房器具を置く
- 窓とドアの断熱性能を上げる
- 床下断熱の性能を上げる
という3つの方法をご紹介します。
暖房器具を置く
洗面所の寒さを改善する方法として、すぐにできることは暖房機器を置くことです。
洗面所は、リビングなどと比べるととても狭く、平均的な広さは二畳ほどです。そのため、ファンヒーターなどの暖房器具を設置するだけで手っ取り早く洗面所を暖かくすることができます。
では、どのような暖房器具がおすすめなのでしょうか。洗面所は空間が狭い上に、タオルや洗濯物、洗濯機なども置かれており、暖房器具の設置スペースは限られています。
ですので、小型のセラミックファンヒーターや遠赤外線ヒーターなので十分と言えます。また、洗濯物などの暖房器具への落下による火事などの事故を防ぐためにも、あまり大きいものではなくコンパクトな暖房器具がおすすめです。
窓の断熱性能を上げる
洗面所に窓はありますか?
その窓は断熱性能の高いものでしょうか。家の中で窓は一番薄く、熱がたくさん出入りする場所です。洗面所で暖房機器を使っても、窓の断熱性能が低いとせっかく温めた熱は窓から外に出て行ってしまいます。
断熱性が高い窓は
- ガラスが2重
- フレームが樹脂
でできていいます。
昔の窓のガラスは1枚でした。1枚のガラスをアルミのフレームに入れています。
ガラス1枚では熱はどんどん外に移動しますし、外の熱も入って来ます。フレーム部分のアルミも、熱を伝えやすい素材です。
熱を逃がしてしまう窓では、冬にどんなにストーブをつけても外に熱が逃げていくので部屋は温まりにくくなります。また、外の冷気が伝わりやすい分、窓周辺は寒くなりますし、冷やされた空気が部屋の内側に流れ込むと足元の寒さの原因になります。
「性能の良い窓」には断熱性を高める工夫がされています。例えばガラスは2重構造になっていて冷気が伝わりにくくなっていたり、フレームも金属よりもずっと寒さを伝えにくい素材である樹脂で作られています。窓の性能を上げるだけで感じる寒さは大きく違ってくるのです。
床下断熱の性能を上げる
床下に断熱材は入っていますか?
床下に断熱材が入っていなかったり、外れたり垂れ下がっていて十分な効果を発揮できていないと、床下の冷気が生活空間まで伝わってきやすくなるので足元が冷えの原因になります。
性能の良い断熱材を適切な方法で設置することで、床下の冷気を防ぎ部屋の中を暖かくできるのです。
もしも、床下に断熱材がなかったり外れてしまっているようでしたら、断熱材の設置をオススメいたします。
まとめ
今回は洗面所の寒さが持つリスクやその対策方法についてご紹介してきました。
ヒートショックなど、寒さが原因で亡くなる事故は年間1万件を超えるといわれており、その多くが浴室や洗面所で起こっているといわれています。部屋と部屋との間に温度差を作らず、暖かい空間を連続させることが大切です。
とはいえ、窓や床の断熱性能が低い状態で、暖房機器を使った場合、暖房器具で部屋を暖めてもすぐに寒くなってしまいますし、局所的な寒さは残った状態となりがちです。特に洗面所は北側に作られるケースが多く寒さの影響を受けやすいので、建物の中でもその傾向は顕著であるといえるでしょう。建物の断熱性能を上げることが、一見遠回りなようで確実な寒さ対策となるのです。
断熱リフォームの匠では、内窓の取り付けや、床下・小屋裏への断熱材の設置に関する調査やお見積りを無料でおこなっています。もし建物の断熱性能について興味を持っていただいた方はぜひ、お気軽にご相談ください!