断熱リフォームで使える補助金は?6種類をすべて解説【2024年最新】|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2024.05.24 / 更新日 2024.09.30
断熱リフォーム補助金・減税・節約
断熱リフォームで使える補助金は?6種類をすべて解説【2024年最新】
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廣澤 健一郎
環境省認定うちエコ診断士
地方公務員を経て、テオリアハウスクリニックに入社。前職の経験から断熱に関する補助金の取り扱い業務に精通しており、これまでに国や地方自治体の補助金手続きを多数経験。 書類の作成だけではなく、自ら現場に出て調査・工事に携わるなど、断熱の実務経験も豊富で、これまでに点検訪問した住宅は1,500件を越える。
「補助金で断熱リフォームがお得になる?」
「断熱改修したいけど値段が高くて…」
断熱リフォームを検討中の皆さんの中には、このようにお悩みの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。家の寒さや暑さを改善して住みやすい家にするには断熱リフォームが必要となりますが、屋根裏や床下、窓などすべてをリフォームするとどうしても費用の負担も大きくなってしまいます。
そこで活用したいのが補助金や助成金です。当記事では、環境省など国が提供する補助金・助成金を中心に、断熱リフォームで使えるものを詳しく解説します。
目次
断熱リフォームで使える補助金
断熱リフォームや窓リフォームで使える補助金はいくつかあります。その中で国が実施するものは下記6種類です。まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
対象 | 補助額 | |
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既存住宅の断熱リフォーム支援事業 | 高性能建材使用の断熱 | 戸建て:最大120万円 集合住宅:最大15万円 |
先進的窓リノベ事業 | 窓・ドアの断熱 | 最大200万円 |
子育てエコホーム支援事業 | 開口部、外壁、天井、屋根、床下の断熱等 | 最大30万円 |
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 長期優良住宅化リフォーム | 最大210万円 |
次世代省エネ建材の実証支援事業 | 外張り断熱・内張り断熱等 | 最大400万円 |
住宅エコリフォーム推進事業 | 開口部、外壁、天井、屋根、床下の断熱等 | 最大35万円 |
特に注目すべき補助金は、先進的窓リノベ事業、既存住宅の断熱リフォーム支援事業、子育てエコホーム支援事業の3つです。これら3つは内窓リフォームや天井断熱、床下断熱といった断熱リフォームとの親和性が非常に高く、特に補助金を活用しやすくなっています。
2024年は既存住宅の断熱リフォーム支援事業、先進的窓リノベ事業、子育てエコホーム支援事業、長期優良住宅化リフォーム推進事業、次世代省エネ建材の実証支援事業の5つの受付が開始されています。
既存住宅の断熱リフォーム支援事業
既存住宅の断熱リフォーム支援事業は環境省の補助金です。公益財団法人北海道環境財団が執行団体ですが、交付規程に基づき全国を対象に公募を実施しています。
公募期間 | ・2024年3月18日(月)~6月14日(金) ・2024年6月26日(水)~8月9日(金) ・2024年9月2日(月)~12月13日(金) ・2025年1月公募:1月下旬~3月上旬 |
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対象となる住宅 | ・戸建住宅 ・集合住宅 |
補助対象 | ・財団が定める要件を満たしたガラス・窓・断熱材 ・財団が定める要件を満たした玄関ドア(上記のいずれかと同時改修の場合) |
※高断熱資材に対する補助金のため、断熱リフォームの施工費用は補助の対象とはなりません。
補助率と補助金の上限額
補助率 | 補助対象経費の1/3以内 |
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上限額 | 戸建住宅:120万円/戸 集合住宅:15万円/戸 |
※戸建住宅は断熱ドア5万円を含む。集合住宅で玄関ドアも改修する場合は上限20万円/戸。
具体的な補助イメージ
延床面積100㎡の戸建て住宅に、床、天井、窓の断熱リフォームをした場合、既存住宅の断熱リフォーム支援事業の補助金を利用すると実質負担額はいくらになるでしょうか。
断熱リフォーム費用 | 約190万円 |
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補助金額 | 約36万円 |
実質負担額 | 約154万円 |
還元率 | 18.94% |
※床:ボード状高性能グラスウール80mm追加、天井:セルローズファイバー160mm追加、すべての窓に内窓を設置した場合
断熱リフォーム全体で190万円の費用がかかり、その内の資材にのみ補助がついて約36万円の補助金となります。補助率は1/3以内となっていますが、断熱リフォーム総費用の1/3ではない点に注意しましょう。
既存住宅の断熱リフォーム支援事業の補助金に対応しています
先進的窓リノベ事業
先進的窓リノベ事業は、断熱窓へのリフォームを推進して既存住宅の省エネ化を促すことを目的としています。この取り組みにより省エネ化や快適な暮らしを実現するとともに、家庭からのCO2排出削減に貢献します。
交付申請期間 | 2024年3月29日~予算上限に達するまで (遅くとも2024年12月31日まで) |
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対象となる住宅 | 住宅 (人の居住の用に供する家屋) |
補助対象 | 開口部(窓)の断熱リフォーム |
補助金の上限額
上限額 | 5万円〜200万円/戸 |
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具体的な補助イメージ
延床面積110㎡の戸建て住宅に、窓の断熱リフォームをした場合、先進的窓リノベ事業の補助金を利用すると実質負担額はいくらになるでしょうか。
断熱リフォーム費用 | 約124万円 |
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補助金額 | 約62万円 |
実質負担額 | 約62万円 |
還元率 | 50% |
※すべての窓(16面)にアルゴンガス入りLow-E複層ガラスの内窓を設置した場合
内窓による断熱リフォームで124万円の費用がかかりますが、約62万円の補助金がつくため最終的な費用負担額は約62万円となります。※上記は試算額のため補助額は前後する可能性があります。
先進的窓リノベ事業の補助金に対応しています
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、エネルギー価格の高騰などに影響を受けやすい子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、高い省エネ性能を備えた新築住宅の購入や既存住宅の省エネリフォームを支援するものです。この記事では、その中のリフォームに焦点を当てて解説します。
交付申請期間 | 2024年4月2日~予算上限に達するまで (遅くとも2024年12月31日まで) |
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対象となる住宅 | 住宅 |
補助対象 | ●住宅の省エネ改修 1.開口部の断熱改修 2.外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 3.エコ住宅設備の設置 ●1〜3を実施したら対象となるもの 4.子育て対応改修 5.防災性向上改修 6.バリアフリー改修 7.空気清浄機機能・換気機能付きエアコンの設置 8.リフォーム瑕疵保険等への加入 |
補助金の上限額
上限額 | ・子育て世帯・若者夫婦世帯:上限30万円 ・その他の世帯: 上限20万円 |
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子育て世帯とは18歳未満の子供がいる世帯のことで、若者夫婦世帯とは夫婦のいずれかが39歳以下の世帯のことを言います。子育て世帯や若者夫婦世帯が既存住宅の購入を伴う場合は上限が60万円となります。また、長期優良化リフォームを行う場合は、子育て世帯・若者夫婦世帯が上限45万円、その他の世帯が上限30万円へと引き上げられます。
具体的な補助イメージ
延床面積100㎡の戸建て住宅に天井(屋根裏)と床(床下)に断熱リフォームをした場合、子育てエコホーム支援事業の補助金を利用すると実質負担額はいくらになるでしょうか。
断熱リフォーム費用 | 約100万円 |
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補助金額 | 約11万円 |
実質負担額 | 約89万円 |
還元率 | 約11% |
※床:ボード状高性能グラスウール80mm追加、天井:セルローズファイバー160mm追加で施工した場合
断熱リフォーム全体で約100万円の費用がかかますが、約11万円の補助金がつくため最終的な費用負担額は約89万円となります。※上記は試算額のため補助額は前後する可能性があります。
子育てエコホーム支援事業の補助金に対応しています
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅ストックの長寿命化に対する優良な取り組みに対して国が費用の一部を支援するものです。性能の向上を図るリフォームやインスペクションが補助の対象となります。
交付申請期間 | ・通年申請タイプ 2024年5月13日〜2024年12月23日 |
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対象となる住宅 | 戸建(評価基準型:55㎡以上、認定長期優良住宅型75㎡以上) 共同住宅(40㎡以上) |
補助対象 | 1.特定性能向上リフォーム工事 2.その他性能向上リフォーム工事 3.三世代同居対応改修工事 4.子育て世帯向け改修工事 5.防災性の向上、レジリエンス性の向上改修工事 6.インスペクションに要する費用 |
補助金を受けるための要件
長期優良住宅化リフォーム推進事業による補助を受ける場合、事前にインスペクションを実施して維持保全計画を作成する必要があるなど他の補助金よりも複雑です。下記すべての要件を満たす必要があります。
- 事前にインスペクションを実施する
- 維持保全計画およびリフォームの履歴を作成する
- リフォーム工事後に下記要件を満たす
【必須】劣化対策、耐震性(新耐震基準適合等)、省エネルギー対策の基準
【任意】維持管理・更新の容易性、高齢者等対策(共同住宅)、可変性(共同住宅)の基準 - 上記の性能項目のいずれかの性能向上に資するリフォーム工事、三世代同居対応改修工事、子育て世帯向け改修工事、防災性・レジリエンス性の向上改修工事のうち一つ以上行う
補助金の上限額
上限額 | ・評価基準型:上限80万円 ・認定長期優良住宅型: 上限160万円 |
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三世代同居対応改修工事、若者・子育て世帯が工事、既存住宅購入者が工事、これらを行う場合は評価基準型が上限130万円、認定長期優良住宅型が上限210万円となります。
長期優良住宅化リフォーム推進事業には対応しておりません
次世代省エネ建材の実証支援事業
次世代省エネ建材の実証支援事業は経済産業省の補助金です。短工期で施工ができる高性能断熱材や、快適性向上につながる蓄熱・調湿建材等の次世代省エネ建材の効果の実証を支援することを目的としています。
公募期間 | ・2024年5月7日(火)~8月30日(金) ・2024年9月9日(月)〜11月29日(金) |
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対象となる住宅 | ・戸建住宅 ・集合住宅 |
補助対象 | ・外張り断熱による改修 ・内張り断熱による改修 ・窓断熱による改修 |
※集合住宅は内張り断熱のみ。補助対象の併用は不可。
外張り断熱
必須要件 | 外気に接する外壁すべてを外張り断熱工法で改修する |
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必須製品 | 外張り用断熱材 |
補助率 | 補助対象経費の1/2以内 |
補助の上限額 | ・1〜4地域:400万円 ・5〜8地域:300万円 |
断熱リフォームの匠では外張り断熱には対応しておりません。
内張り断熱
必須要件 | 断熱パネル、潜熱蓄熱材いずれかを室内側から導入する |
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必須製品 | ・断熱パネル ・潜熱蓄熱材 |
補助率 | 補助対象経費の1/2以内 |
補助の上限額 | ・戸建住宅:200万円 ・集合住宅:125万円 |
補助の下限額 | 20万円 |
※補助金の下限額は先進的窓リノベ事業または子育てエコホーム支援事業と併用する場合、15万円となります。
内張り断熱の対象は室内側から施工する断熱パネルのため、断熱リフォームの匠が採用する「床下や屋根裏から施工する断熱工法」は対象外となります。
窓断熱
必須要件 | すべての開口部を窓および玄関ドアで改修する |
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必須製品 | ・Sグレードの窓(防火・防風・防犯仕様) ・玄関ドア |
補助率 | 補助対象経費の1/2以内 |
補助の上限額 | 150万円 |
※必須製品に加えて任意製品(断熱パネル、潜熱蓄熱材、断熱材、調湿建材)を併用する場合、上限額が200万円となります。
窓断熱の対象はSグレードの窓(防火・防風・防犯仕様)となり、断熱リフォームの匠が採用する内窓でのリフォームは対象外です。
住宅エコリフォーム推進事業
住宅エコリフォーム推進事業は、カーボンニュートラルの実現に向けて住宅ストックの省エネ化を推進するために、ZEHレベルの高い省エネ性能へ住宅を改修する取組に対して国が直接支援を行うものです。
交付申請期間 | 2024年度は発表がありません |
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対象となる住宅 | ・戸建て住宅 ・共同住宅 |
補助対象 | ・省エネ設計等費 ・省エネ改修工事費 |
補助金の補助率と上限額
補助率 | 40% |
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上限額 | 上限35万円 |
現在、当補助金事業が実施されていません
地方公共団体の補助金事業
ここまで断熱リフォームで使える国の補助金制度を解説しましたが、都道府県や市区町村が独自に補助金を設けている場合があります。具体的には、東京都が実施している災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業などです。
非常に多くの補助金があるため当記事でも掲載しきれませんので、お住まいの自治体で補助金があるかを調べる方法をご紹介します。
住宅リフォーム推進協議会が運営する地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイトへアクセスし、下記の流れで検索します。お住まいの自治体に補助がある場合は、検索結果に市区町村名と事業詳細が表示されます。
- 支援分類:「③省エネルギー化」を選択
- 支援方法:「①補助」を選択
- お住まいの都道府県を選択
- 検索結果に補助事業があるかを確認
参考:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト
実施を考えている断熱リフォームの工法や材料に対して補助金が活用できそうな場合は、断熱リフォーム業者に使えるかどうかを確認してみるようにしましょう。ただし、業者によっては国の補助金に対応していても各自治体の補助金には対応していないことも多いため事前に確認を取ることが大切です。
断熱リフォームで使える補助金は併用できる?
このように、断熱リフォームで使える補助金はいくつもあります。そこで気になるのが、それぞれの補助金を併用できるのかどうかという部分ではないでしょうか。
●併用できる補助金例
国費を使う補助金で併用できるものには、先進的窓リノベ事業と子育てエコホーム支援事業があります。ただし、両事業の補助対象である開口部(窓・ドア)リフォームについてはどちらか一方のみでしか補助を申請することができません。
例えば、内窓リフォームは先進的窓リノベ事業で、床下断熱リフォームと天井断熱リフォームは子育てエコホーム支援事業で申請することが可能です。
国の補助事業と地方公共団体の補助金は併用可能な場合があります。具体的には、国費が充当されていないものが併用可能です。例えば、先進的窓リノベ事業と東京都の補助事業(災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業)との併用などがそれに該当します。
それぞれの補助金を併用することで還元率が大きくなる可能性があるため、各補助金の申請等が可能かどうかを業者に確認を取ることが大切です。
補助金申請は断熱リフォーム業者がやってくれる?
では、補助金を受け取るためにはどうすればいいのでしょうか。基本的には断熱リフォーム業者が手続きを行うため、施主が自ら申請することはありません。
また、先進的窓リノベ事業や子育てエコホーム支援事業については、事業の事務局に登録した業者のみ申請手続きすることが可能なため、そもそも個人での申請ができません。事業者登録していない業者も申請ができませんので登録業者かどうかは必ず調べておきましょう。
まとめ
当記事では、断熱リフォームに利用できる補助金6種類と地方公共団体の補助金の調べ方について解説しました。今年度も断熱リフォームで補助金を活用することができますので、ぜひ参考にしてみてください。
もちろん断熱リフォームの匠でも、弊社の断熱リフォーム施工に対応した補助金に対応しています。補助金を使って賢く断熱リフォームをしたいと考えている方はお気軽にお問い合わせください。
首都圏で年間200棟の施工実績
業界初の10年間工事品質保証
補助金・助成金の申請も代行
窓・床下・天井を壊さず断熱
1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。
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