窓の断熱リフォームをするなら!絶対に知ってほしい一つのこと|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2018.10.20 / 更新日 2023.05.13

内窓・窓リフォーム断熱リフォーム

窓の断熱リフォームをするなら!絶対に知ってほしい一つのこと

窓の

WRITER

WRITER

矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

こんにちは。《断熱リフォームの匠》の矢崎です。

部屋の寒さや暑さを改善したい場合、とても有効な解決策が「窓の断熱」です

窓はお家のなかで一番熱が逃げやすいポイントですし、窓を真っ先に断熱するのはとても理にかなっています。

でも、ちょっと待ってください!

窓の断熱をする前に絶対に知っておいてほしいことがあるのです。

意外と多い!?窓の断熱で効果を実感できない人


実は《断熱リフォームの匠》では

「窓の断熱化工事を他社で実施したが状況が改善しなかったので状況を一度見て欲しい」

というお問い合わせを年間で何件もいただいています。

窓の断熱化は、間違いなく熱の移動を大幅に減少させられる工事です。それなのに、どうしてそのようなお問い合わせが多く寄せられるのでしょうか?

「熱が逃げる部位」の解説に隠された”落とし穴”

どこのウェブサイトや書籍でもよく見かけるのが、こちらの図です。どこかで見たことがあるのではないでしょうか?

この図を見ると圧倒的に窓が断熱のウィークポイントであることがよく分かります。

しかしここには”落とし穴”があります。

それは、住宅から逃げる物理的なエネルギー量と、人間の感じる暑さ・寒さの感覚とは、必ずしも一致しないという事です。

人の体は「室温」ではなく、「体感温度」を感じています。夏の時期に部屋の中にいる状態を想像してみてください。

扇風機の風を浴びているときとそうでない時とでは、快適さに大きな開きがあるのを感じたことがあるのではないでしょうか?

扇風機の風は室温そのものを下げるわけではありません。しかし風があることで体感温度が下がり、涼しく感じられるというわけです。

理論と実際は違うという言葉はそれを良く表していると言えるのではないでしょうか?

実際のところ、住宅から逃げる熱の模式図は、住宅に使用する建材や断熱材の材質から、物理的な熱の逃げやすさを理論的に計算したものになります。

ですが、熱エネルギーは住宅の全方位から均等に逃げて行くような移動はしないため、実際のパーセンテージだけですべてが決定するわけではないことも注意しなければなりません。

窓の断熱の効果を感じられない家の共通点

窓の断熱をしても効果が実感できないお家にはある共通点があります。

それは、窓、床、壁などの温度と室温との間に大きな差があることです。

窓の断熱を行えば熱エネルギーは格段に逃げにくくなり、冷暖房の涼しさ・暖かさは確実に室内に残るようになります。

しかし体感温度の存在を意識せずに窓の断熱だけを行ってしまうと、一番大切な「効果の実感」が得られないこともあるので注意が必要です。


ちなみに体感温度は簡単な計算式で表すことができ、

体感温度=(室温+表面温度)÷2
表面温度・・・窓や床、壁などの室内側から見た仕切り部分の温度

となっています。

表面温度とは窓や床、壁などの室内側から見た仕切り部分の温度を指します。

つまり、窓や床、壁などの温度が低ければ実際の室温よりも寒さを感じやすくなり、反対に窓や床、壁などの温度が高ければ実際の室温よりも暑さを感じやすいことになります。

足元の表面温度
たとえば、室温が20℃であっても床の表面温度が10℃であれば、体感温度は15℃となります。

人の体はくるぶしの周辺で寒さを感じると言われています。足元の底冷えを解消しないと暖かさを感じることはできないのです。

天井の表面温度
暑さの感じ方も表面温度が大きく影響しています。

真夏の2階が夜になっても暑いのは、高温の屋根裏空間が原因です。

真夏の強い日差しを長時間浴びた屋根はとても熱くなり、その熱で屋根裏空間までが高温になり、時期によっては60℃近くなります。それが夜になっても冷えずに熱を発し続けるのです。

そのため冷房してもなかなか部屋は涼しくなりませんし、冷房が切れればすぐに室温は上昇してしまいます。

体感温度の改善と、表面温度の改善とが強く結びついていることが良く分かりますね。

窓の断熱は床や天井とのセットがベスト!

では窓の断熱の効果を最大限に発揮するためにはどうすればいいかというと、床や天井とのセットでの断熱リフォームです。

内窓を設置しても、天井からの熱は遮断することができないため、2階には屋根裏(小屋裏)の断熱リフォームを併用することが重要です。

床の表面温度をあげると体感温度も向上

床下の断熱リフォームは床の表面温度の改善にとても効果的です。実は、ほとんどの家で床の断熱は不十分といえる現状があります。

築年数に関わらず、断熱材が足りていなかったり施工状況が悪かったり、そもそも断熱材がなかったり・・・といった状況が非常に多いのが日本の住宅の現状です。

床下の断熱リフォームを実施することで体感温度を上げ、寒さを改善させることができます。

天井の断熱性能を上げ部屋の熱気を解消

小屋裏についても床下と同様のことが言えます

天井に使われている断熱材が薄い、施工状態が悪い、そもそも断熱材が無いといった床下同様の問題が多くみられるのです。

性能のいい断熱材を正しい施工方法で敷き詰めることで天井の熱を防ぎ、室内の体感温度を改善することができます。

天井の断熱リフォームは寒さ対策にもなる

あまり語られてはいないようですが、実は天井の断熱リフォームは寒さ対策としての側面も持っています。

タバコや線香の煙と、ドライアイスの煙をイメージしてもらうと分かりますが、暖かい空気は上に昇り、冷たい空気は下のほうに溜まります。


室内で温まった空気は上昇し、やがて2階の天井板に行き着くわけですが、天井の断熱性能が高ければ屋根裏に逃げる熱を室内へと抑え込むことができるのです。

天井の断熱リフォームを実施したお客様からは「2階の押し入れを開けたとき冷気を感じなくなった」「夏向けの対策として天井断熱をしたけれど、冬も全体的に暖かく感じられるようになった」といったお話を多くいただいています。

まとめ


今回は窓の断熱と建物の寒さ・暑さの関係についてご紹介してきました。

窓の断熱は住宅の断熱性能を高める賢い方法です。(詳しいメリットについてはこちらのページで解説しています)

しかし窓を断熱するのであれば、床や天井の断熱性能も一緒に改善した方が効果をより実感として感じやすくなるため強くおすすめします。

人の体が寒さや暑さを感じるのは、必ずしも物理的な計算と直結していないことにも注意しながら、ご自宅の断熱化プランを練っていくようにしたいですね。

《断熱リフォームの匠》では現在の断熱状況を調べる無料の診断を実施しています。

専門家の立場からお一人お一人が効果的に快適さを感じられる工事の提案をするように心がけているため、他の業者さんとは異なる意見になることもしばしばです。

もし断熱リフォームに少しでも関心をお持ちになりましたら、ご自宅の現状を把握するためにも、断熱調査をお申し込みいただければと思います。

より暖かさ・涼しさを実感できる住まいを作りたい、という人はぜひお気軽にご相談ください!

《断熱リフォームの匠》お問い合わせフォームはこちら
《断熱リフォームの匠》施工事例はこちら