トリプルガラスはつけるべき?メリットとデメリットを解説|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2024.03.08 / 更新日 2024.10.08

内窓・窓リフォーム

トリプルガラスはつけるべき?メリットとデメリットを解説

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

窓の断熱性能が注目される中、「窓の種類はトリプルガラスにした方が良いですか?」といった質問が増えてきました。トリプルガラスはエネルギー効率や快適性を向上させる一方で、コストや設置条件に注意が必要です。

そこでこの記事では、トリプルガラスのメリット・デメリットを整理し、導入を検討する際のポイントを分かりやすく解説します。

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ペアガラスとトリプルガラスの違い

まずはペアガラス(複層ガラス)とトリプルガラス(三層複層ガラス)の違いを整理してみます。

いずれも窓を断熱化する構造ですが、ペアガラスが2枚のガラスを組み合わせているのに対し、トリプルガラスは3枚のガラスで構成されている窓です。

ガラス同士との間の部分には「中空層」といわれる空間があります。

中空層は乾燥空気や不活性ガスなどを封入した、ガラスの材質だけでは達成できないような高い断熱性能を実現する構造です。

一般的にはペアガラスであればひとつの中空層、トリプルガラスであればふたつの中空層を持っています。

トリプルガラスのメリット

性能面だけでいうならば、トリプルガラスはペアガラスの長所をより強化する形になります。

ペアガラスには

  • 寒さや暑さに強くなる
  • 結露を防ぐ
  • 騒音を軽減する
  • 光熱費を抑える
  • 防犯性能が高くなる

 
といったメリットがありますが、トリプルガラスはこれらについてさらに大きな効果を得られます。

とくに断熱性能の向上はトリプルガラスの特徴の中でも、ペアガラスとは大きく性能差が出る面です。のちほど詳しく説明していきます。

トリプルガラスのデメリット

とても重たい

トリプルガラスはガラスが1枚増える分、ペアガラスよりどうしても重たくなります。

メーカーによっては重さの問題を解決するためにアーム状の専用のハンドルまで販売されているほどです。

開閉の際はより大きな力が必要となるため、とくに女性や高齢者の方は開け閉めにしんどさやストレスを感じてしまうかも知れません。

このため、南側の掃き出し窓のように、比較的大きい窓で、開け閉めの頻度も高い窓にはあまり向いていないかも知れません。

窓の種類が少ない

YKKAPやLIXILのカタログを参照しますと、トリプルガラスはペアガラスに比べて商品の種類が少ないことがわかります。

もし「こういう窓にしたい」という理想があったとしてもピッタリなデザインの窓は見つからない可能性もあります。

ペアガラスより高価

当然かも知れませんが、トリプルガラスの費用はペアガラスに比べて高くなります。

家すべての窓となると100万円ほどの違いになるケースも十分考えられるでしょう。

しかも既存窓の上から内窓として取り付けられるペアガラスと異なり、トリプルガラスは窓ごと交換をするカバー工法でないと後からの取り付けは基本的にできません。

その分費用は高額になってしまいますから、使い所はしっかり見極めなければいけませんね。

トリプルガラスは重たいことから組み立てにより多くの人員や時間が安全確保に必要なため、商品の価格だけでなく施工費もペアガラスに比べて高額になる傾向にあります。

日射の取得率が落ちる


わずかな違いではあるものの、トリプルガラスはペアガラスに比べて日射取得率が低下する傾向にあります。

ガラスの枚数が増える分、太陽光を取り入れにくくなるのは当然といえば当然ですね。

断熱性能(熱貫流率)だけで見ると、すべての窓をトリプルガラスにしようと考えるかも知れませんが、日射取得率という面も考慮にいれると、実はそれほど単純ではありません。

日射取得率の低下は、晴れた日の日差しを取り込みづらくなることを意味します。

関東地方などでは、寒い時期でも晴れていれば日差しが暖かい地域が多く、室内を暖めるのに効果的に働くのです。

日差しの恩恵を受けにくくなる面を考慮すると、冬場に日当たり良好な窓はトリプルガラスを避けるべきだと言えます。

もちろん、寒さ対策・暑さ対策のどちらを優先するかによっても変わってくるかも知れません。

普段の生活をイメージし、夏や冬の日差しがどう変わるかによって使い分けるといいでしょう。

ダブルガラスとトリプルガラスを数値で比較

もし窓の断熱改修を実施する場合、内窓の設置とトリプルガラス窓への交換ではどの程度の違いが生まれるのでしょうか?

今度は数値上から比較を行ってみましょう。

まずはYKKAPのプラマードUのカタログを参照します。(大きさは幅1.7m、高さ2m)

熱貫流率というのは断熱性能を示す数値のひとつで、数字が小さいほど高性能な窓です。

一番下は築20年を超えるような住宅で一般的なアルミサッシ単板ガラスの熱貫流率で、6.51となっていますね。

アルゴンガス入りLow-E複層ガラスであれば熱貫流率は1.43まで抑えられます。

高性能な窓ほど当然値段は上がりますが、先進窓リノベ事業ではグレードの高い窓ほどもらえる補助金も多く、よりいい商品を選んだ方が結果的に得をする場合もあります。

内窓の取り付けに必要な費用は、補助金も入れますと1箇所ごとにおおよそ5~8万円ほどです。

続いてトリプルガラスを見ていきましょう。

YKKAPの商品APW430を例に挙げると、熱貫流率は0.78となっており、内窓と比べても非常に高い断熱性能である事がわかります。

取り付けにかかる費用ですが、補助金も加味しますとおおよそ1箇所20~25万円ほどです。

これらの違いを鑑みてどちらを選ぶべきか検討してみるのがいいと思います。

まとめ

今回はトリプルガラスのメリットやデメリットを内窓との違いも交えながらご紹介してきました。

やはり大切なのは、重視したいポイントを整理しての総合的な判断です。性能値だけを追い求めるならば、すべての窓をトリプルガラスにすれば間違いなく高性能になります。ただしその一方で、地域によっては日差しの恩恵を受けにくくなり、余計に暖房費がかかる恐れもあります。

適材適所ですから、デメリットとメリットを比較しながら自分にあったリフォームにしていきたいですね。

矢崎
矢崎
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