内窓リフォームで防音性能は上がる?仕組みや効果を解説!|断熱リフォームの匠
コラム
投稿日 2020.06.30 / 更新日 2021.05.24
内窓・窓リフォーム
内窓リフォームで防音性能は上がる?仕組みや効果を解説!
WRITER
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矢崎 拓也
環境省認定うちエコ診断士
大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。
「内窓リフォームには防音効果があると聞きました。内窓リフォームで得られる防音効果について仕組みや、音をどれくらい減らせるかなど詳しく知りたいです。」
このような方のためにこのページでは内窓リフォームの防音効果を
- 防音効果を得るための仕組み
- 具体的に防ぐことのできる生活音の種類
というテーマでご紹介していきます。
目次
内窓リフォームで防音効果を得る仕組み
内窓リフォームではどのようにして防音効果を得ているのか、まずはその仕組についてご紹介します。
音が伝わる原因
そもそも音はどのようにして伝わるのでしょうか。それは「空気の振動」です。
音は「波」という形で空気中を移動しながら私たちの耳まで届きます(厳密には空気以外にも物の内側を移動する方法もありますが、空気の振動に比べるとごくわずかです)。
音楽スタジオやコンサートホールなどは部屋の形や壁にあたった時の波の動き方を調整することで、うまく防音を行なっています。
私たちの家も、たとえ防音に特化した素材を使っていなかったとしても、外壁や壁などは元々の厚みや内側の断熱材などが音の波を弱くする働きを持っています。
しかし「窓」にはその働きが備わっていません。それは、窓が「音の波をとても伝えやすい素材」だからです。
窓は壁と違い厚さがとても薄く、その分外の環境の音が部屋の中に伝わったり、その逆に家の中から出る音が外に伝わりやすくなります。
内窓リフォームを行うと防音効果が得られる理由
内窓リフォームにはどうして防音効果があるのでしょうか。ポイントは内窓と外窓の間に作られる「空気層」です。
音は物質に当たるとその一部は「反射」をする性質を持っています。
空気層に入り込んだ音は内窓と外窓の間で反射を繰り返します。これにより自分の音を自分で弱めるので、部屋の中まで音が入ってくる時点ではその音量を大幅に小さくすることができます。
内窓リフォームで軽減できる具体的な生活音
内窓リフォームで具体的に軽減できる音には
- 外からの騒音
- 部屋の中から出る音
の2種類があります。
外からの騒音
内窓リフォームによる防音効果で外からの騒音を軽減することができます。外からの騒音は具体的には
- 電車
- 飛行機
- バイクやトラック
- イヌの鳴き声
- 子供の声
- 楽器を演奏する音
などがあります。このような音が聞こえてくるのが悩みである方は内窓リフォームを行うことで状況の改善が見込めます。
部屋の中から出る音
内窓リフォームには外から部屋に入ってくる騒音を防ぐだけでなく、部屋の内側から出る音を抑えることもできます。
- 楽器を演奏する音
- 子供の声
などの音に関して近隣に配慮を行ないたい場合は内窓リフォームを行うことで外に漏れる音を小さくすることができます。
内窓リフォームの防音効果についての注意点
内窓リフォームによる防音効果を期待する際は以下の点に注意する必要があります。
- 防げないタイプの「音の伝わり方」もある
- 完全に騒音を「ゼロ」にできるわけではない
- 対象の空間全ての窓を内窓にする必要がある
防げないタイプの「音の伝わり方」もある
先程は、音の大半は空気中を移動し、内窓は空気を振動する音を軽減できる、とご紹介しましたが、「空気を伝わらない音」を軽減することはできません。
例えば電車の音は
- 空気中を伝わって聞こえてくる音
- 電車が移動する時の地面の揺れが直接家まで伝わることで聞こえる音
の2種類があります。後者の音に関しては内窓では防ぐことができず、一部の音は直接伝わってしまうので、線路のすぐ近くなど、状況によっては思うように効果を得られない場合もあるので注意しましょう。
完全に騒音を「ゼロ」にできるわけではない
音をどの程度防ぐことができるかを客観的に評価するための基準を「遮音性能」といい、遮音性能は日本工業規格(JIS)によりその度合に応じて「等級」がつけられています。
建材試験センターの実験によると、内窓により騒音の程度を「半分以下」まで軽減できるとしています。
しかし、確かに内窓リフォームにより日常で感じる音を大幅にカットできることに間違いはありませんが、防音はあくまでも「音を弱くする」効果であり、「完全に音を防ぐ」ことができるわけではありません。これは先程もご紹介したような「音の伝わり方」の問題や「そもそもの音の大きさ」「音の高さ(周波数)」の問題などがあります。
不安な方は、実際の違いを体感できるようなショウルームを持っているメーカーもありますので、一度足を運んでみて自分の耳で直接効果を確かめてみるのもいいかもしれません。
対象の空間全ての窓を内窓にする必要がある
内窓リフォームで防音効果を得るためには、その部屋の全ての窓に対して内窓を取り付ける必要があります。これは、1箇所でも性能が不十分な窓が存在すると、そこからどんどん部屋の内側に音が入り込んできてしまうからです。
また目的は異なりますが「部屋の断熱性能を上げる」という効果を期待する上でも、内窓は「たくさんある窓のうち1箇所だけに取り付ける」というやり方では、本来の性能を発揮することができません。内窓リフォームを行うことで申請ができる補助金についても、「対象となる空間の全ての窓で内窓を設置した場合に限る」という条件をつけられているものもあります。
もし内窓の取り付けが困難な場合は外窓そのものを交換するという方法もあります。いずれにしても「何も対策を行なわない窓を残さない」事が重要です。
まとめ
今回は内窓リフォームによって得られる防音効果についてご紹介してきました。
様々な「音」が原因で悩んでいる方は、内窓リフォームで状況を改善できる可能性があります。
断熱リフォームの匠では現在の状況を正確に把握するための無料調査を実施しています。調査ではそれぞれの窓のサイズ計測や、適切な商品選びのためのアドバイスも行なわせていただいております。
興味のある方はぜひ一度断熱リフォームの匠までお問い合わせください。皆様からのご連絡を心よりお待ちしています!