和室の寒さが気になる人必見!断熱のプロが対策方法をご紹介|断熱リフォームの匠

コラム

投稿日 2020.08.18 / 更新日 2024.11.16

寒さ・暑さ対策断熱リフォーム

和室の寒さが気になる人必見!断熱のプロが対策方法をご紹介

WRITER

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矢崎 拓也

環境省認定うちエコ診断士

大学卒業後、断熱にまつわる資格をいくつも取得し、自ら調査や補助金申請の手配、セルロースファイバーの施工から窓の取付まで行える業界でも異色の人物。「日本中の住宅性能の低さを解決したい!」と大きな夢を原動力に戸建住宅の断熱リフォームに取り組む。

和室の寒さ対策について調べています
具体的な方法について詳しく知りたいです

このようなお悩みをお持ちの方に向けて、和室特有の寒さの原因から効果的な寒さ対策、さらにはリフォームによる本格的な改善方法まで和室の寒さ対策を詳しく解説していきます。

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和室の寒さ、対策すべき場所はココ!

和室で寒さを感じやすい場所には、いくつかのポイントがあります。まずはその原因を理解し、効果的に対策をとっていきましょう。

窓は寒さ対策の要

和室の寒さ対策で最初に注目したいのは窓です。窓は外気の冷たさが伝わりやすい場所で、特に和室の場合、大きな掃き出し窓が使用されていることが多く、冷気が室内に入り込みやすくなっています

(写真)窓は熱の出入りが大きい。

(写真)特に掃き出し窓は面積が大きいため外気の影響を受けやすい。

 
窓は外の光を取り込むために薄く作られており、他の場所に比べて熱が逃げやすい構造になっています。そのため、外気が冷たい冬場は冷えが強く感じられます。また、掃き出し窓のように開口部が大きい窓は特に冷気が入り込みやすく、寒さ対策の優先ポイントと言えるでしょう。

建物から逃げていく熱の割合

(写真)事実として、窓から熱が移動する割合が家の中で最も多い。
コールドドラフト現象のイメージ

(写真)腰窓は冷気が床に流れ込む「コールドドラフト現象」が起こりがち。

 

畳からも冷気が伝わってくる

次に対策したいのが「畳」です。畳は床を冷えから守っているように見えますが、その下にある「荒床」という板を通して床下の冷気が伝わってきます

(写真)畳をめくると現れる荒床。

(写真)基礎通気口で外気と床下はつながっている。

 
和室の床下には外気の換気を促す通気口や基礎パッキンが設置されており、外の冷たい空気が床下に入り込みやすい構造になっています。この床下の冷気が荒床や壁との隙間、畳を通して室内に伝わり、特に冬場は足元から寒さを感じる原因となります。

すぐに行える!和室の寒さ対策

では、和室の寒さはどのように対策すればいいのでしょうか?ここからは、和室の寒さを軽減するために手軽に取り組める対策をご紹介します。これらは特別な工事や大掛かりな準備を必要とせず、すぐに実践できる方法ばかりです。

窓の冷気を軽減する対策

窓に緩衝材を貼り付ける

最も簡単に効果を感じられる方法として、窓に緩衝材を貼り付ける方法があります。プチプチシートなどの緩衝材を貼ることで、部屋の熱が外に逃げるのを効果的に防ぐことができるんですね。市販されている断熱シートは厚みのある緩衝材タイプを選ぶとより高い効果が得られます

矢崎
矢崎
緩衝材として実際に使われたプチプチシートについては、隙間ができやすくあまり効果を実感できないため、断熱専用の市販品を使うのがおすすめですね。

厚手のカーテンを使用する

障子がある場合は障子を閉めると断熱的にも効果的ですが、和室の窓がカーテンの場合、厚手のものに交換するだけで冷気の侵入を大幅に軽減できます。

カーテンは窓と部屋の間に空気の層を作り、熱が逃げるのを防ぐ役割があります。特に裏地が付いたカーテンや断熱効果のあるタイプがおすすめです。

床面の冷気を軽減する対策

じゅうたんを敷く

簡単な対策ですが、厚手のじゅうたんを敷くだけでも冷気の伝わりを和らげ、足元の寒さを軽減できます。さらに効果を高めたい場合は、じゅうたんと畳の間にコルクボードや断熱シートを敷くことがおすすめです。これにより、床下からの冷えをしっかり遮断できます。

矢崎
矢崎
ただし、畳を覆ってしまうことでカビやダニ、シロアリなどが発生するリスクも生じます。湿度の高くなる季節は使用せず、冬場だけ使用するようにしましょう。

こたつを使う

和室の暖房器具として定番のこたつは、足元を直接暖めるのに最適です。エアコンやストーブに比べて光熱費を抑えられるうえ、畳の上に直接置けるため、効率的に暖かさを感じられます。

部屋の空気をかき混ぜる

冷たい空気は床に、暖かい空気は天井付近に溜まりやすいため、エアコンだけでは部屋全体を暖かくするのが難しい場合があります。扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させると足元まで暖かい空気が届き、暖房効率が上がります。

和室の断熱リフォームで寒さ対策を行う方法

和室の寒さ対策を徹底的に行いたい場合、リフォームは非常に効果的な選択肢となります。

確かにリフォームには一定の費用がかかりますが、その分、表面的な対策では得られない「部屋全体が寒くなくなった!」という実感を得ることができます。また、暖房効率が改善することで光熱費の削減にもつながるため、長期的にはコストパフォーマンスの良い投資となる場合があります。

ここでは、リフォームによる和室の寒さ対策の具体例として以下の3つをご紹介します。

  •  内窓の設置
  •  断熱性能の高い畳に交換
  •  床下に断熱材を設置

どれも効果的な方法ですので、ご自宅の状況や予算に応じて検討してみてください。

内窓を設置する

内窓の施工

窓は部屋の保温性能における一番の弱点です。外気の影響を受けやすく熱の多くが窓から逃げていくため、窓の性能を向上させることが寒さ対策のカギとなります。

内窓の設置は、この問題を解決する最適な方法の一つです。内窓とは、既存の窓の内側に新たな窓を取り付ける構造のもので、2重窓として断熱効果を発揮します。内窓を設置することで以下のメリットが得られます。

  • 断熱性が向上し、暖房効率が高まる
  • 結露が軽減される
  • 防音性が向上し、外からの騒音が入りにくくなる

(写真)和紙調ガラスの内窓なら和室の雰囲気を損なわない。

(写真)掃き出し窓の上にある欄間にも内窓を施工。部屋の窓全てを断熱化する必要がある。

 
内窓は比較的短時間で施工が完了し、大掛かりな工事も必要ないためコストパフォーマンスに優れた寒さ対策といえます。特に掃き出し窓など大きな窓がある和室には、非常に効果的です。

断熱性能の高い畳に交換する

畳は構造によって寒さ対策に大きな差が出る建材です。従来の畳はワラ畳床と呼ばれるワラを圧縮して作った芯材を使っており、ある程度の断熱性を持っていますが、近年ではさらに断熱性能の高い素材を用いた畳が登場しています。

例えば、畳床に発泡スチロールや特殊な断熱材を使用した畳は、熱を伝えにくく冷気が伝わりにくい構造になっています。これにより、冬場でも床の冷たさを軽減する効果が期待できます。

断熱畳のメリット
  • 通常の畳に比べて軽く、施工が容易
  • 大掛かりな工事が不要で、手軽にリフォームが可能
  • 冷気を防ぎながら、畳特有の快適な踏み心地を維持

床下に断熱材を設置する

和室の寒さを根本から解決するためには、床下の断熱対策が欠かせません。床下は普段の生活では目に見えませんが、外気と直接接しているため、冷気が床材を通じて伝わりやすい箇所です。

特に築年数が経過している家では、断熱材が不十分であるか、そもそも使われていない場合もあります。そのため、床下に高性能な断熱材を新たに設置することで、以下のような効果が得られます。

  • 床材を通じた冷気の侵入を遮断
  • 部屋全体の温度が安定し、暖房効率が向上
  • 室内環境が改善され、結露やカビのリスクが軽減

(写真)床下断熱リフォームの一例。施工前。

(写真)施工後。床下から断熱材を施工する。

 
断熱材の種類にはグラスウールや発泡プラスチック系のものがあり、住宅の構造などに応じて適切なものを選ぶことが重要です。施工は専門業者に依頼する必要がありますが、リフォームの効果が非常に大きいため寒さに悩む方にはおすすめの方法です。

まとめ

今回は和室の寒さ対策についてご紹介してきました。和室は洋室と違い直接床に座ることが多い分、部屋の下に溜まりやすい冷たい空気も気になりがちです。寒さは健康面だけでなく、日々の暮らしの快適さにも大きく影響を与えますので、寒さに気を取られながら過ごすというのももったいない話です。是非納得できる環境づくりを行っていただければと思います。

もし、「和室以外の寒さ対策についても知りたい」と思っていただけたようでしたら、下記ページで詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。

矢崎
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1974年の創業から50年を超える歴史を持ち、住宅メーカーなど1200社以上の住宅のプロとも取引実績を持つ当社。日本でも数少ない断熱リフォーム専門店として、断熱工事に関するあらゆるお困りごとを解消すべく、技術とサービスを磨いて参りました。断熱性能は快適な暮らしを守る影の立役者。私どもはその裏方の仕事に誇りを持ち、期待を超える品質でお応えします。

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